静岡県は「若年者大麻乱用期」? 摘発者の7割が29歳以下、SNSの誤情報が助長か 県が注意…

2025/06/14 11:00 

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 若者の間で大麻がまん延している実態を踏まえ、静岡県は児童生徒、学生の注意喚起を強化する。交流サイト(SNS)の普及が背景にあるとし、中高生向けの薬学講座の資料にSNS上の情報の危険性を呼びかける内容を新たに盛り込んだ。学校や警察とも連携し、教職員らへの働きかけにも力を入れる。このほど県庁で開いた県薬物乱用対策推進本部の会合で本年度の方針を決めた。
 2024年の県内の大麻事件の摘発者数は165人で、このうち76・4%の126人が29歳以下の青少年だった。青少年の割合は年々増加し、7割超えは2年連続。県は「『若年者大麻乱用期』の渦中にある」と危機感を強める。
 県によると、SNSの普及で違法薬物に関する情報に簡単にアクセスできるようになり、若者が「依存性が低い」「身体への悪影響はない」など誤った情報を入手しやすくなっていることが背景にあるという。
 中高生向けの講座の資料には「SNSでの誘いに注意」との項目を加え、SNSで大麻を勧められても返事はせず、断る返信も必要ないなどと強調した。新規採用の養護教諭の研修で薬物乱用について取り上げるほか、高体連主催の大会での生徒や観客向けの啓発動画放映などにも取り組む。
 会合では、市販薬を過剰に摂取する「オーバードーズ」の対策強化への取り組みも報告。健康福祉部の青山秀徳部長は「実態を知らないと具体的にイメージできない。事例を集めて周知していきたい」と述べ、教育委員会や警察と連携してオーバードーズの実態調査を行う方針を示した。
 薬局などに対し、市販薬の頻回購入者がいた場合に警察に通報するよう求め、薬剤師や登録販売者などゲートキーパーの意識向上を図るなどの取り組みも進めていくとした。
静岡新聞

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