エスカレーターでの盗撮 特殊鏡で背後警戒を 駅周辺で多発、静岡県警が設置

2025/06/05 08:20 

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 静岡県内鉄道駅周辺のエスカレーターで盗撮被害が相次ぐ状況を受けて、県警が4日までに、被害が顕著なJR静岡駅周辺のエスカレーターなどで背後を確認しやすい広角に映す特殊ミラーを使った対策を始めた。エスカレーターが狙われやすい背景に、幅が狭く手元のスマートフォンや小型カメラを自身の体で隠せる点などが指摘される。通行人に背後を意識してもらいながら盗撮に気付きやすい環境をつくり、犯行を思いとどまらせる抑止効果も狙う。
年々増加、高校生注意
 県警生活保安課によると盗撮犯の摘発件数は昨年、116件認知し、年々増加傾向が続いている。エスカレーターでは26件摘発し、トイレや更衣室に次いで多かった。年代別では特に高校生が目立つという。県内で最も被害が多いJR静岡駅北口地下通路からコンコースに上るエスカレーターでは8件の摘発があった。
 静岡駅に次いで被害が多い安倍川駅のエスカレーターにもミラーを設置した。早朝の1時間で約500人の女性利用者の様子を定点観測したところ、約半数がミラーに目を向けて横や後ろを意識していたという。
大阪などで抑止効果
 大阪府など他府県で同様のミラーを設けて以降、被害防止効果が出ていることから、県内でも被害が集中する6月に合わせて対策をスタート。4日午後には、県警やJR東海、静岡市など関係機関と合同でJR静岡駅北口地下通路周辺の駅やバス停に向かう通行人にミラーの設置を周知した。
 被害や摘発件数の変化を踏まえて効果を確認しながら、他地域でも設置を広げていく方針。生活保安課の若林貴彦管理官は「盗撮を諦めさせる『人の目』を広げたい。通行人が日ごろから背後を気に掛ける習慣にもつながれば」と語った。
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