レアな姿?モリアオガエルの泡巣10個以上! 浜松市天竜区で確認、日中の産卵も

2025/06/06 07:59 

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 浜松市天竜区内で静岡県の準絶滅危惧種に指定されているモリアオガエルの"レアな姿"が確認された。狭い範囲に10個以上の泡巣を作ったり、日中に産卵したり。複数の研究者が「なかなか珍しい光景だ」と関心を寄せる。
 5月下旬、森林に囲まれている同区春野町の藤下常美さん(76)、恵子さん(76)夫妻宅の庭のヤマブキの木の上には、半径約1メートル以内に白い球状のモリアオガエルの13個の泡巣ができていた。
 卵を産み落とすため、通常は池周辺の木に泡巣を作ることが多いが、藤下さん宅には池はない。その代わりになったのが、常美さんが10年以上前に設置した水を張った長方形の桶。夫妻によると、泡巣は毎年見ているが、一度に10個以上の数を確認できたのは初めて。
 京都大総合博物館の市岡幸雄特定研究員(27)は「繁殖のための水場が用意されたことと、繁殖期以外を過ごす森が自宅の裏にあることでいい環境が整ったと考えられる」とみる。
 藤下さん夫妻は「山の空気が良いので安心して産めるのかな。また来年も帰ってきてもらって、鳴き声が聞きたい」とほほ笑んだ。
 同区横川のフリースクール「里山題楽校」の付近ではこのほど、日中に産卵が観察された。鈴木宏征楽校長(44)と生徒の川合奏舞さん(9)が雄と雌が体をくっつけて、巣を作り、産卵する様子を目で捉えた。川合さんは「泡の中で何かやっているように見えて、初めて見たのでかなり衝撃的だった」と目を見開いた。
 ふじのくに地球環境史ミュージアムの岡宮久規主任研究員(33)は「基本は夜から朝にかけての産卵がほとんどで、日中は珍しい」と話した。
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