静岡市清水区に新水族館計画 iZoo運営会社、市施設に規模匹敵

2025/05/30 07:35 

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 河津町で年間約16万人が訪れる爬虫(はちゅう)類動物園「iZoo(イズー)」を運営する静岡市の企業が同市清水区内で水族館をオープンさせる方針を固めたことが29日までに明らかになった。年間集客は30万〜50万人を見込み、静岡市が同区日の出地区で計画中の海洋文化施設「海洋・地球総合ミュージアム」にほぼ匹敵する規模。完成時期が不明瞭な市の計画に影響を与える可能性もある。
 オープンさせるのは、国内の水族館や動物園から依頼を受けて希少動物の輸入や導入を行う「レップジャパン」。白輪剛史社長(56)は静岡新聞社の取材に対し「中部横断自動車道の開通や国際クルーズ船の寄港増により、観光客の増加が見込める」と述べた。
 海洋・地球総合ミュージアムと同じ日の出地区か、東海大海洋科学博物館(昨秋一般公開終了)のある三保地区が軸。数年以内のオープンを目指すという。
 ゾウガメや大型のヘビ、ワニと触れ合えるなど、一風変わった展示で人気を博すiZooの「姉妹園」との位置付け。魚類以外にもオットセイやペンギン、ウミガメなどの野生の姿を観察できる施設とする。体感型水族館「Zoo Zoo Sea(ズー・ズー・シー)」と名付ける。
 足元で投資規模は数十億円程度となる見込みだ。
■不透明感増す市施設
 静岡市清水区の日の出地区か三保地区周辺への進出計画が明らかになった民間の水族館。年間の集客は30万〜50万人を見込み、同エリアで同規模の年間40万〜67万人の入館者を想定する静岡市の海洋文化施設計画は不透明感を増すことになる。市の計画は、大型水槽の水質維持手法を巡り、魚の管理を業務委託するはずだった東海大との交渉が決裂。昨秋に一般公開を終了した同大海洋科学博物館の施設を借りられず、蓄養水槽の新設の必要性などが生じている。
 着工は1年以上遅れ、完成時期も不明確。物価高騰の影響などもあり、数十億円以上の追加的経費が必要とされる。同大と連携して環駿河湾の海洋保護の中核となるべきコンセプトは事実上“棚上げ”状態だ。
 こうした状況もあって東海大海洋科学博物館の再開を求める声が高まり、東海大の卒業生らでつくる「残す会」が3万筆以上の署名を集めて4月上旬、大学側に提出した。大学本部が対応を検討している。
静岡新聞

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