吉原や由比など静岡県内JR東海道線8駅 6月から駅員を無配置化 乗り越し精算やICチャージ…

2025/05/31 09:30 

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 JR東海は6月1日から、東海道線の県内8駅で駅員を無配置化し、乗客の困り事に遠隔で対応する「お客様サポートサービス」に切り替える。これまで駅員が不在で対応できなかった早朝や夜間、休憩時の時間帯も、乗り越し精算やICチャージなどが可能になり、業務効率化とサービス向上の両立を図る。
 無配置化するのは片浜、原、東田子の浦、吉原、富士川、新蒲原、蒲原、由比の各駅。近距離券売機の横にモニター付きインターホンを新たに設置する。運行時間帯は案内センターのオペレーターが、カメラで切符や駅構内の状況を確認しながら遠隔で対応する。
 改札内には、精算方法などを案内するタッチパネルも新設。指定席券の購入が多い片浜、原、吉原の各駅には、「サポートつき指定席券売機」を整備し、新幹線や在来線の指定席特急券を購入できるようになる。学生割引など証明書を必要とする割引切符も、オペレーターの応対で買える。
 駅構内にカメラを設置し、困った様子の人がいた際は、オペレーターがスピーカーを通じて呼びかけインターホンに誘導する。オペレーターが翻訳アプリを活用するなど多言語対応にも備える。現地での案内が必要な際は富士川、原の両駅から係員が無配置化駅に出向く。同社は「名古屋地区でのサービス導入時に大きな混乱はなく、対応の待ち時間も少ない。現状よりサービスの質向上を期待できる」と位置づける。
 ただ、沿岸部の無配置駅では、災害時における避難誘導の態勢に懸念も残る。吉原、由比の両駅は津波浸水区域内に位置する。災害発生時は、状況や避難場所を遠隔放送で案内する想定。同社は「駅構内に掲示している避難経路図に従って各自で避難していただきたい」と呼びかける。
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