暴れ回る大虎を生け捕り 太鼓や笛の音響く 南伊豆の伝統行事「小稲の虎舞」

2024/09/17 07:52 

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 国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」で、南伊豆町手石の小稲地区に伝わる伝統行事「小稲の虎舞」が16日夜、同地区で執り行われた。大虎の生け捕りの再現を小稲来宮会が演じた。
 虎舞は主人公の「和藤内」が竹やぶで大虎と遭遇、格闘の末に連れて帰るとの内容で、仮設舞台「虎山」が海岸近くに設けられた。男衆2人が布状の大虎のぬいぐるみに入り、暴れ回る様子を表現。赤い衣装の和藤内は太鼓や笛の音色に合わせ、大捕物を繰り広げて聴衆を沸かせた。
 町や同会によると、旧暦の8月14日の中秋の名月前夜に合わせ、小稲来宮神社の祭礼に行われる習わし。近松門左衛門の「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」の一部を舞にしたと伝わる。虎舞は江戸時代に伊豆半島に伝わったとされ、村芝居として人気を集めたが、現在は同地区のみで伝承しているという。県の無形民俗文化財にも指定される。
 同会会長の土屋敬三さん(48)は「演じる人を集めるのはなかなか大変だが、地区の伝統を少しでも長く続けていきたい」と意気込んだ。
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