防衛白書を閣議了承 AI活用「新しい戦い方」 新章で強化言及

2026/08/04 11:12 

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 政府は4日の閣議で、2026年版防衛白書を了承した。25年版に続き、中国の軍事動向などを「深刻な懸念事項であり、これまでにない最大の戦略的な挑戦」と指摘し、「総合的な国力と同盟国・同志国などとの協力・連携により対応すべきもの」と位置づけた。人工知能(AI)などを活用した「新しい戦い方」への備えを各国が加速させていると指摘し、取り組みを強化する方針も示唆した。

 白書では、中国が高水準で国防費を増やし、軍事力の質・量を広範かつ急速に強化していると指摘し、日本周辺で活発化する活動を列記。硫黄島より東側の海域での空母の活動や太平洋上での空母2隻の同時活動などを25年6月に防衛省が初確認・公表したことに加え、同年12月の中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射も盛り込んだ。

 また、中国が25年も台湾周辺海空域で軍事演習を繰り返したとし、「状況の既成事実化を図るとともに、実戦能力の向上を企図しているとみられる」と分析。さらに、25年12月に中露の爆撃機が東シナ海から初めて四国沖まで共同飛行したことなどについて「わが国に対する示威活動を明確に意図したもので、安全保障上、重大な懸念だ」と指摘した。

 北朝鮮については「従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威」との評価を維持した。今年2月の朝鮮労働党大会での金正恩(キムジョンウン)党総書記の発言から、核・ミサイル開発と同時に「多様な装備体系の開発を目指していくものとみられる」と分析。北朝鮮兵士の派遣などロシアとの協力を通じ、「軍事力が中長期的に増強されるおそれがある」とも記した。

 ロシアの軍事動向については「中国との戦略的連携と相まって安全保障上の強い懸念だ」との見解を改めて示し、注視していく必要があるとした。

 各国に対する評価は現行の国家安全保障戦略に沿った表現に据え置いた一方で、国家安保戦略など安保関連3文書の年内改定を見据え、ドローンなどの無人機やAIを活用した「新しい戦い方」についての「章」を新設。ロシアによるウクライナ侵攻以降注目される新しい戦い方について、欧米や中韓、インドなどの動向を掲載した。

 4月の防衛装備移転三原則と運用指針の改定を踏まえ、国内の防衛産業基盤の強化に向けた取り組みを詳述。「同盟国・同志国と共通の装備品を保有し、相互に支援する環境を構築することが可能になる」と改定の意義を強調した。

 白書は598ページで過去最多。防衛省は内容を分かりやすく解説するため、短く編集した「ショート動画」やビジュアル版小冊子を初めて作成し、国民向けの発信を強化する。【竹内望】

毎日新聞

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