福岡県幹部の親睦会費で議長らのパー券購入 地公法に抵触の恐れ

2026/03/25 20:23 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 福岡県の部ごとにある課長級以上の職員でつくる「部課長会」の会費の一部が、県議会議長や副議長の政治資金パーティー券の購入に充てられていたことが判明した。会費は給与から天引きされてプールされ、会員の職員がパー券を購入する時に全額や一部が補助されるなどしていた。

 ◇会費は給与から天引き

 パー券購入の意思にかかわらず職員から会費が徴収されてきた実態から、専門家は事実上の組織的な献金であり、献金の強制を禁じる政治資金規正法や公務員の政治的行為を規制する地方公務員法に抵触する可能性を指摘する。

 県によると、部課長会は課長級以上の職員らによる親睦会で、知事部局には部ごとに10組織ある。会費は月数千円から1万数千円で、歓送迎会や慶弔費などに充てている。加入は強制ではないが、ほとんどの職員が入っているという。

 地方自治法は県議会の議長と副議長の任期を4年と定めるが、福岡県議会では1年で交代するのが慣例となっている。議長と副議長が代わる度にそれぞれの就任を祝う政治資金パーティーが開かれ、課長以上の職員らも招待されていた。パー券代は1人2万円程度とされる。

 総務部の部課長会では2分の1を補助し、過去にはパー券代が1人2万円の場合、職員が1万円を負担し、残り1万円を会費から補助したうえで一括して議長や副議長側の口座に振り込んでいた。職員の意思は確認せず、出席しない職員もいた。こうした運用はほとんどの部で続けられ、県土整備部や農林水産部では全額が補助されていた。

 その後、県の執行部と議会が慣行を見直すなかでパー券代を組織的に集める手法が問題視され、財政課が2025年7月に「法的に問題がある」と注意喚起。多くの部で各職員が直接振り込む運用に変わったが、部課長会の会費からの補助は続けられた。

 25日に記者団の取材に応じた服部誠太郎知事は、組織的にパー券を購入していた場合は「法に抵触する恐れもある」との認識を示したうえで「よく調べて改善を図っていかなければならない」と語った。

 ◇専門家「中立性の原則から逸脱」

 政治資金問題に詳しい岩井奉信・日本大名誉教授(政治学)は「役所内でパー券購入の案内が回るケースは聞いたことがあるが、組織的にまとめ買いするのは聞いたことがない。給与天引きでは職員が事実上拒否できず、政治資金規正法に抵触する恐れがある。執行部には議会との関係を円滑にしたい思惑があるのかもしれないが、公務員や行政の中立性の原則から逸脱した慣習だ」と指摘する。【宗岡敬介、日向米華】

毎日新聞

政治

政治一覧>

注目の情報