ホルムズ海峡の開放要求へ連携 高市首相、東南アジアに協力要請
政府は、イランによる事実上のホルムズ海峡封鎖に対抗し、海峡の開放を求めるグループを拡大する取り組みを加速する。高市早苗首相は東南アジア首脳らに相次いで協力を呼びかけた。米国から事態打開で役割を果たすよう「ステップアップ(強化)」を迫られる中、現状は自衛隊派遣でなく外交で汗をかくことに徹している。
「特に喫緊の課題であるホルムズ海峡の安全な航行の確保など、事態の早期沈静化に向けて国際社会と連携・協力するのは重要だ」。首相は24日、いずれも海上貿易が盛んなマーシャル諸島、マレーシア、フィリピンの首脳に相次いで電話で呼びかけた。外務省幹部は「今後、首脳レベル以外でも共同声明への参加をもっと働きかける」と話す。
背景には、日本が中東に原油を依存し、ホルムズ海峡閉鎖が経済的に大打撃になるのに加え、米国のプレッシャーも少なくないことがある。トランプ大統領が求めてきたホルムズ海峡への自衛隊派遣には、憲法9条などの制約もあり、戦闘中の派遣には慎重だ。トランプ氏からは19日の首相との会談で繰り返し「ステップアップ」と求められた。
日本は日米首脳会談直前の19日、英仏など5カ国と共に、ホルムズ海峡の安全な航行の確保を求めた共同声明を発表。声明の文言作りに関わったアジア唯一の初期メンバーで、その後も周辺国に働きかけ、参加国は25日昼までに韓豪など30カ国に増えた。米イスラエル、イラン以外の非戦闘グループで和解を後押ししつつ、「イランに国際的な孤立を突きつけて圧力をかける役割もある」(政府関係者)という。
外務省によると、日本は国連の国際海事機関(IMO、本部ロンドン)などが目指す、同海峡で安全通行できる「海上回廊」作りにも関与。26日に開始する石油の国家備蓄放出などエネルギー価格の安定化と合わせて、「国際協調の正念場」(外務省幹部)という。【田所柳子】
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