再選の前橋市長、公約実現に危機 対立会派から疑問相次ぐ
前橋市の小川晶市長が公約とした第1子の保育料半額を実施するための条例改正案が19日、市議会の常任委員会で否決された。26日の市議会本会議でも否決される公算が大きく、公約の実現が危ぶまれている。
19日の市議会教育福祉常任委員会。小川市長が公約に掲げていた、第1子の保育料を半額にする条例改正案に対し、保守系会派などの市議から疑問の声が相次いだ。
最大会派、前橋高志会の市議は「恒常的な負担を伴う。物価高騰や公共施設の老朽化などさまざまな課題があり、政策ごとの整合性や優先順位について分かりやすい説明がされているとは言いがたい」と指摘。前橋令明の市議も「保育所を利用しない家庭への配慮に欠ける。中核市でも1割程度の実施状況を鑑みると、予算に余裕がない前橋にとっては相当きつい」と続けた。
市側は2024年の市民アンケートで、希望通りに子どもを持てない理由の筆頭に「経済的負担の大きさ」が挙がったと説明。「第1子を半額にすることで『2人目を産みたい』という方を支援できる。その前に1人目の出産さえためらっている方、結婚・妊娠・出産・子育てを希望する方々の後押しができる」などと理解を求めた。
質疑の後、前橋高志会、前橋令明、公明、無所属の会、無所属クラブの7人の反対で、条例改正案は否決された。賛成したのは、共産、まえばし市民クラブの2人だった。
小川市長は昨年9月に市職員とホテルを訪れた問題が発覚し、保守系をはじめとする市議会の大多数の会派から責任を追及されて辞職。今年1月の市長選で、保守系会派の推す候補らを破って再選した。こうした対立の経緯から、市議会との関係が市政運営に及ぼす影響が注目されていた。【加藤栄】
◇小川市長の公約とは
保育所や幼稚園、認定こども園などの保育料は、2019年秋の子ども・子育て支援法改正により、3~5歳児と住民税の非課税世帯の0~2歳児を対象に無償化された。ただし、非課税世帯でなければ0~2歳児は無償化の対象外となる。
前橋市の小川晶市長は、保護者負担のさらなる軽減を目指し、非課税世帯でなくとも第1子の0~2歳児の保育料を半額にすると公約に掲げて、今年1月の市長選で再選。実現に向け、3月開会の市議会定例会に条例改正案を提出した。
市によると、新たに保育料半額の対象となるのは0~2歳児の約1500人で、所得制限などは設けない。予算額は約2億1000万円で、9月1日からの施行予定としていた。
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