参院選 台湾で初の在外公館投票始まる 在住有権者の要望受け

2025/07/04 17:10 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 20日投開票の参院選に向け、台湾で初めてとなる在住日本人向けの在外公館投票が4日、始まった。日本と外交関係のない台湾には公職選挙法上の在外公館がないとみなされていて、長らく実施されていなかった。台湾に住む有権者からの要望を受け、選挙権行使の機会が広がった。

 日台間の実務関係を扱い、事実上の大使館や総領事館に当たる日本台湾交流協会の台北、高雄両事務所で、14日まで行われる。台北事務所では午前9時半の開始時間直後から有権者が訪れ、係員の説明を受けながら、1票を投じた。

 台北で最初に投票した台湾在住13年目の主婦、嶋野蘭さん(44)は「自分の1票が日本に届けられると思うとうれしい」と話した。交流協会によると、台湾に住む日本人有権者は約1万6000人。

 在外投票では在外公館投票のほかに郵便投票もあるが、担当の区市町村選挙管理委員会と投票用紙を郵送でやり取りするのに手間や時間がかかり、開票日までに選管に届けられないこともある。台湾に暮らす日本人は「投票の壁」に悩まされていて、「利用しやすい交流協会事務所での投票をさせてほしい」と要望していた。【台北・林哲平】

毎日新聞

政治

政治一覧>

注目の情報