「救済に向けた議論を」 被爆体験者、高齢化で迫る時間 長崎
参院選が3日公示され、20日の投開票まで17日間の選挙戦が始まった。長引く物価高に追い打ちをかけるような「令和のコメ騒動」は人々の暮らしから余裕を奪い、「トランプ関税」を巡る外交交渉も緊迫する国際情勢も先行きが見通せない。広がる不安と閉塞(へいそく)感のなかで有権者は政治に何を託し、どんな未来を選ぶのか。
長崎では、国が指定した援護区域外で原爆に遭った「被爆体験者」が被爆者と認めるよう声を上げ続けるが、政府は背を向けたままだ。被爆から80年の夏の参院選で、平均年齢が85歳を超える被爆体験者たちは「もう時間がない。救済に向けた議論を」と願う。
被爆体験者は長崎の爆心地の東西約7~12キロで、原爆投下後の雨や灰などに含まれた放射性微粒子を体内に取り込み健康被害を受けた可能性が否定できないと訴えている。広島原爆の黒い雨体験者を巡っては、広島高裁が被爆者と認めた判決(2021年7月)を受けて国は被爆者健康手帳の交付を開始。一方、「同様の状況にあった」と主張する長崎の被爆体験者について救済から除外している。
24年の長崎原爆の日には、長崎市を訪れた岸田文雄首相(当時)が歴代首相として初めて被爆体験者と面会したが、被爆者とは認めなかった。岸田氏と面会した被爆体験者団体「長崎被爆地域拡大協議会」の池山道夫会長(83)は「仲間たちはどんどん亡くなっており、被爆80年の節目の今年が解決に向けた最後のチャンス。被爆の実相に目を向けてほしい」と求める。
被爆者たちは、核兵器問題や防衛力強化を巡る政府の姿勢を注視する。ノーベル平和賞を受けた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員の田中重光さん(84)は「日本の核兵器禁止条約への参加と軍事費増額について議論してほしい。先の大戦の犠牲の上に『二度と戦争はしません』と世界に誓った憲法を持つ日本が、軍事費世界第10位の軍事大国でいいのか」と語った。【樋口岳大、尾形有菜】
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