流通先の温室効果ガス排出、石油大手に「注意義務」 仏地裁判断

2026/06/26 11:13 

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 パリ地裁は25日、仏エネルギー大手トタルエナジーズに対し、原油・ガス田の採掘などの自社事業から直接出る温室効果ガスだけではなく、その後のガソリンで走った車など流通先での排出も対象に含めて気候変動へのリスクを評価するよう命じた。

 トタルの流通先の排出量は全体の約9割を占めるとされる。今後同社が提出するリスク評価の内容が不十分として、パリ地裁が具体的な排出削減などを命じれば、欧米石油メジャーの一角である同社の今後の開発・生産計画に大きく影響する可能性がある。

 決定は、環境団体やパリ市などがトタルを相手取り起こした民事訴訟で出た。フランスでは2017年、事業による人権侵害や環境破壊などを予防するためリスクの評価を義務づける「注意義務法」が施行された。しかし、環境団体やパリ市は、トタルは30年まで年平均で3%ずつ化石燃料の生産を増やす計画を立てており、注意義務を怠っているとして20年に提訴した。

 一方でトタル側は、この法律が求めるリスク評価の対象に温室効果ガス排出削減は入っていないと主張。また、取り組めるのは採掘など自社事業による排出削減までで、流通先の排出はコントロールできないとも主張していた。

 しかし、地裁は「原油・ガスの生産と、消費者によるガソリンなどの燃焼には固有の関連がある」として、流通先の排出量も含めた形で注意義務法に基づいたリスク評価をやり直すよう求めた。

 環境団体などは化石燃料関連の事業の大幅な縮小や罰金の支払いも求めていた。地裁は今回の決定では判断を保留しており、27年1月時点でトタル側がまとめた内容をどう評価するかや、罰金や具体的な排出削減を命じるかどうかが次の焦点となる。

 原告の一つである仏環境団体「ノートル・アフェール・ア・トゥス」は「気候変動リスクへの対応を多国籍企業に義務づける重要で画期的な決定だ」と評価した。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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