米国、ロシア、中国がNPT会議で応酬 核軍縮巡る対立浮き彫りに
米ニューヨークで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議は29日、米国とロシア、中国の3大核保有国が演説した。
米国はロシアと中国が核戦力を増強していることを批判し、核保有国による新たな軍備管理構想が必要だと主張。一方、ロシアと中国は米国によるイラン核施設への攻撃や、北大西洋条約機構(NATO)の「核共有」などを非難した。双方の対立が改めて浮き彫りになった。
米国のヨー国務次官補(軍備管理・不拡散担当)は演説で、ロシアが米露間の核軍縮の枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)の運用を不法に停止し、核戦力を増強させたほか、核開発を続ける北朝鮮と関係を深めていると指摘。中国については、過去15年で核弾頭数を数倍にしており、「軍拡競争」をしていると非難した。
また、トランプ大統領は核兵器の威力があまりに巨大で、コストが多大にかかるとして「核兵器のより少ない世界」を目指していると説明。最初のステップとして核政策の透明性、核リスクの低減、核実験の扱いなどを含めた軍備管理構想を核保有国に提案したと指摘した。
またNPTの順守状況について、全ての核保有国が参加した対話を実施すべきだと述べた。
一方、ロシアは自国がNPTを尊重していると主張。米国に対し、イランの民生用核施設を攻撃し、核弾頭数の増加や核実験再開を検討していると非難した。
またNATOによる「核共有」がNPT体制を長年不安定化させてきたとし、英国やフランスが核共有政策をさらに強化しようとしている、と批判した。軍縮については「政治的、軍事的現実」を考慮する必要があるとした。
中国は、米国を念頭に「国益を第一に考える大国」が覇権主義的な論理を振りかざし、戦争を始めるなど国際秩序を弱体化させていると指摘。米国が提案する軍備管理構想は、軍縮に力を入れるべき「大国」の責任逃れであり、「全く関心はない」と一蹴した。
また核軍縮は段階を踏み、大国間の「戦略的安定」維持を原則として行うべきだとした。
NATO加盟国による核共有は、NPTが発効した1970年以前から行われている。英国は核共有によって、各国が核を所有することを防いでおり、NPTの核不拡散義務を果たしていると反論した。【ニューヨーク三木幸治】
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