「とにかく声聞きたい」福岡のじゅうたん店店長、イランの家族案じる
米国とイスラエルによる軍事攻撃に加え、最高指導者ハメネイ師の死亡でこれまでになく緊迫した情勢となったイラン。民間人の犠牲も伝えられる中、在日のイラン出身者からは親類らの安否を案じ、一日も早い平穏を願う声が聞かれた。
福岡市中央区のペルシャじゅうたん店で店長を務めるイラン出身の永久弗(えくどる)ホセインさん(62)は、軍事攻撃以降、首都テヘランに住む姉3人や兄と連絡が取れなくなった。「とにかく声が聞きたい」と不安を募らせる。
「体の調子はどう?」「大丈夫よ」。2月27日に70代の姉の一人と電話でたわいもない会話をしたばかりだった。その翌日、テヘランを含むイラン各地が攻撃にさらされた。一夜明けた1日も、仕事の合間にきょうだい4人に順番に電話したが、誰ともつながらず、安否は分かっていない。
永久弗さんは23歳で「憧れていた」という日本に渡った。ペルシャじゅうたんを扱う現在の会社に入り、2011年に福岡市の店舗に移った。日本で妻子を得て18年には日本国籍を取得したが、「祖父もじゅうたんを売っていた。私もじゅうたんを通して日本とイランの懸け橋になりたい」と母国への思いは強い。
攻撃で死亡したとされるハメネイ師は、1989年に2代目の最高指導者となってから約37年間、イランの統治を主導したが、圧政やインフレなどに市民の不満は高まっていた。イラン人には体制転換への期待を持つ人も多いとされる。
永久弗さんは「これまで市民が苦しんできたことは否めない」と言葉少な。そして、こう続けた。「今はただ、一日も早く軍事攻撃が終わることを願うだけだ」【平川昌範】
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