「邪悪」トランプ氏支持者も批判 イラン攻撃、賛否割れる米世論

2026/03/01 20:10 

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 イランの最高指導者ハメネイ師を殺害した今回の米軍の作戦を巡っては、米国内でも賛否両論が噴出している。

 トランプ大統領の熱心な支持層「MAGA(マガ=米国を再び偉大に)」派は元々、「米国第一」を掲げて海外での戦争関与に拒否感が強く、一部が猛反発している。

 トランプ氏に近い保守系のFOXテレビ元司会者、タッカー・カールソン氏は2月28日、米ABCニュースの取材に対し、イラン攻撃は「不快で邪悪だ」と痛烈に批判した。今後、トランプ氏の政治運動に大きな影響を及ぼすとの見方も示した。

 昨年にトランプ氏とたもとを分かった元共和党下院議員マージョリー・グリーン氏も「最悪の裏切りだ」と酷評した。

 ただ米政治メディア「ポリティコ」が1月16~19日に実施した世論調査によると、MAGA派を自認する共和党支持者のうち61%がイランへの軍事行動を支持していた。トランプ氏がベネズエラの反米左派、マドゥロ大統領を拘束する1月の軍事作戦で米兵の死者を出さずに短時間で終わらせたこともあり、「米国第一」に沿った行動として一定の理解が広まる可能性がある。

 ◇割れる民主党

 野党民主党も意見がまとまらず、トランプ政権への姿勢が定まっていない。

 民主党上院トップのシューマー院内総務は「政権はイランの脅威の規模や急迫性について重要な詳細を議会や国民に提供していない」と批判した。カンナ下院議員も「米国民は『政権転覆戦争』にうんざりしている」と述べた。一方でフェッターマン上院議員は「地域に真の平和を構築するために正しい行為だ」とトランプ氏を評価している。

 与野党を問わず「議会軽視」との懸念も根強い。米憲法では宣戦布告の権限を大統領ではなく、連邦議会に与えているためだ。トランプ氏に無制限の対イラン軍事行動を禁じる決議案の採決に向けた動きも出ているものの、今のところ可決のめどは立っていない。

 ◇介入長期化を警戒

 米CBSテレビなどが2月25~27日に実施した世論調査では、回答者の51%が「イランの核保有を阻止するための米軍の軍事行動を支持する」と回答した。ただ指導部の排除まで認める意見は、全体の18%にとどまっていた。

 米国は過去にアフガニスタンやイラクで体制転換を目指して軍事介入し、紛争が長期化し深刻な教訓を残した。もしイランへの関与も長期化すれば、米国内でトランプ政権への不満が広がる恐れがある。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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