米国防長官がベトナム訪問 「新たな協力分野模索」 戦争終結50年

2025/11/03 18:53 

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 アジアを歴訪中のヘグセス米国防長官は2~3日の日程でベトナムを訪問し、最高指導者のトー・ラム共産党書記長やルオン・クオン国家主席らと会談した。今年はベトナム戦争終結50年の節目で、両国の外交関係が正常化してから30年となる。

 ベトナム国営メディアによると、ラム氏は2日にあった式典で「戦後問題に両国が共同で取り組むことは過去の傷を癒やし、長期的な相互関係を築く重要な基盤となる」とヘグセス氏を歓迎した。

 訪問に先立つ10月31日には両国間で覚書を締結。ベトナム戦争中に散布された枯れ葉剤の被害者の支援や、南部のビエンホア空港で枯れ葉剤に含まれていたダイオキシンの除染などで引き続き協力することを約束した。

 ヘグセス氏と2日に会談したファン・バン・ザン国防相は、米国側が今年に入って空港の除染作業に追加で1億3000万ドル(約200億円)を拠出すると明らかにしたことに改めて謝意を示した。ヘグセス氏はこうした協力を「和解と相互関係の象徴」と述べ、「進行中のプロジェクトを完了させ、双方の要求と能力に適した新たな協力分野を模索していく」と約束したという。

 両国は2023年に2国間関係を「包括的戦略パートナーシップ」に格上げ。インド太平洋地域で影響力を拡大する中国への対抗を念頭に、経済や安保分野で連携を強化している。【バンコク武内彩】

毎日新聞

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