韓国の特別検察は２９日、尹錫悦（ユン・ソンニョル）前大統領＝内乱罪などで公判中＝の妻、金建希（キム・ゴンヒ）容疑者（５２）を資本市場法違反やあっせん収財などの罪で起訴した。韓国メディアによると、元大統領の妻が起訴されるのは初めて。元大統領と配偶者が同時に刑事裁判を受けるのも初めてだという。

　特別検察は金被告を巡る十数件の疑惑を捜査している。聯合ニュースによると、２９日はこのうち３件について起訴した。金被告は８月１２日に逮捕されて以降、拘置所に収監されている。

　特別検察は、金被告が２００９～１２年に中古車販売大手「ドイツモーターズ」の株価操作に関与したとしている。あっせん収財事件では、２２年４～８月、世界平和統一家庭連合（旧統一教会）の事業で便宜を図る見返りに、教団側から知人の占師を介して高価なネックレスやブランドバッグを受け取ったとしている。

　さらに金被告は、２２年の国会議員補選で候補者の選定に介入したとして、政治資金法違反罪でも起訴された。【ソウル福岡静哉】