日米韓、外務次官協議 安保で協力強化 中国や北朝鮮念頭に

2025/07/18 17:48 

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 日米韓3カ国は18日、東京都内で外務次官協議を開き、厳しさを増す東アジアの安全保障環境を巡り、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向け連携することで一致した。トランプ米政権が日韓両国に課した高関税措置は解決しておらず、日韓間でも韓国が実効支配する島根県・竹島などの問題があるものの、中国や北朝鮮を念頭に安全保障と経済安全保障分野での具体的な協力を進める方針も確認した。

 協議は昨年10月以来で、トランプ政権と、韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権が発足してから初の開催。外務省の船越健裕事務次官は冒頭、「地域の安全保障環境は非常に深刻で3カ国の戦略的連携が今まで以上に重要だ」と指摘。ランドー米国務副長官と韓国外務省の朴潤柱(パク・ユンジュ)第1次官も同調する姿勢を示した。

 3氏は東・南シナ海で威圧的行動を増す中国を念頭に、台湾海峡の平和と安定の重要性を確認。北朝鮮がロシアとの軍事協力を強化しており、核・ミサイル開発の資金源となる仮想通貨(暗号資産)の窃取などサイバー活動への対策も進める。中国によるレアアース(希土類)の輸出規制を背景に、重要鉱物を含む供給網の強化など経済安全保障分野でも連携する。

 また、船越、ランドー両氏は同日、外務省と米国務省がFOIP推進に向けた事務方協議を開始することで一致した。【田所柳子】

毎日新聞

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