イランとイスラエル、紛争は拡大の一途 互いに攻撃姿勢崩さず
イラン当局は14日、南部ブシェール州にある世界最大のガス田がイスラエル軍の攻撃を受けたと明らかにした。イランメディアが報じた。イランによるミサイル攻撃で死傷者が出たことを受け、イスラエルは攻撃対象を軍事施設からエネルギー関連施設に広げた形だ。イランも同様の施設を標的に反撃しており、被害が拡大すれば、世界経済にも影響する恐れがある。
報道によると、イランで攻撃を受けたのは南パルスガス田の陸上施設。少なくとも2回爆発があり、火災が発生した。間もなく鎮火したが、被害を受けた施設ではガスの生産が停止したという。また、首都テヘラン郊外の石油貯蔵施設も攻撃を受け、火災が起きた。
南パルスガス田は、イランとカタールが共有する世界最大のガス田のうち、イラン側が管理する区域を指す。貯留層の総面積は9700平方キロ。うち3700平方キロがイランに属し、天然ガスの埋蔵量は51兆立方メートルを超える。
イランも14日夜から15日にかけてミサイル攻撃を繰り返した。イスラエル北部ハイファや中部バトヤムの住宅街では、子どもを含む11人が死亡、約200人が負傷した。13日以降のイスラエル側の死者は計14人になった。
イラン側は航空機の燃料製造施設を標的にしたとしており、ハイファでは製油所のパイプラインにも着弾した。事実上の交戦状態が続く中、紛争は拡大の一途をたどっている。
一方、国際原子力機関(IAEA)は14日、イラン中部イスファハンの核施設のうち、ウラン転換施設を含む4棟の建物が13日の攻撃で損壊したと明らかにした。中部ナタンツのウラン濃縮施設の一部も破壊されており、核施設に一定の被害が出ている。イランメディアは14日、最高指導者ハメネイ師の側近、シャムハニ氏がイスラエルの攻撃で死亡したとも報じた。
イスラエル軍はイランの防空システムへの攻撃も続けており、14日にはイラン西部からテヘランまでの空域で航空優勢を確保したと発表。イラン国防省にも攻撃を加えた。イスラエルのカッツ国防相は14日、イランがミサイル攻撃をやめなければ「テヘランは炎上する」と警告した。
こうした中、15日に予定されていたイランの核開発を巡る米国との協議は中止となった。イランのアラグチ外相は15日の記者会見で、米国がイスラエルの先制攻撃を容認したとして「対話に反対していることが明らかになった」と批判した。一方、イスラエルが攻撃をやめれば「我々の報復も止まるだろう」と語り、収束に向けたシグナルを送った。【カイロ金子淳、エルサレム松岡大地】
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