「世界まだ原爆の実相知らない」 被爆者、イギリスで大学生らに訴え
1945年8月6日に広島市で被爆した八幡照子さん(87)と飯田国彦さん(82)が15日、ロンドンで現地の大学生ら15人と対話した。核保有国とされるイスラエルと、核開発を進めるイランによる紛争が続く中、2人は「武力行使のエスカレーションは核戦争につながりかねない。核廃絶への思いを多くの人と共有して政府に伝えてほしい」などと訴えた。若者たちは「核のない平和」の大切さをかみしめていた。
八幡さんは8歳の時、爆心地から約2・5キロの自宅で家族8人と共に被爆した。爆風で約5メートル吹き飛ばされ、意識が戻った時には顔は血だらけだったという。
「幸せだった子供時代が原爆で一変した。本当に飢えて、カエルやイナゴも食べた」。八幡さんはそう明かし、「もし核兵器が使われたら、世界は住めなくなってしまう」と繰り返し強調。「若い皆さんには、迫り来る危機を“自分ごと”として捉えて、平和を築いてほしい」と声を絞り出すように語りかけた。
飯田さんは被爆した当時は3歳。同時に被爆した家族は亡くなり、孤児になった。その後もさまざまな後遺症に苦しんだ。「世界はまだ原爆被害の実相を理解していない」と指摘。「特に爆心地付近はほとんどのものが白い灰と化し、遺骨や遺品すらも残らない」と説明し、「原爆の悲惨さを伝え、ひたすら平和を求めていくことが一番大切だ」と力を込めた。
学生らは2人に、原爆の威力や、核廃絶に向けて非核保有国ができることなどについて積極的に質問した。ジョージ・ベバリッジさん(24)は「核兵器の恐ろしさがよくわかった。現状で英国だけが核を放棄するのは難しいかもしれないが、他の核保有国にも働きかけて核廃絶を進めてほしいと政府に伝えたい」と話した。
八幡さんと飯田さんは国内外の各地で被爆体験の証言を続けている。今年は広島、長崎への原爆投下から80年。2人は6月13日にはパリで講演した。16日にロンドンで講演もし、17~18日にはポーランドの首都ワルシャワでも講演や若者との対話に臨む。【ロンドン福永方人】
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