国連総会（１９３カ国）は２日、９月から始まる第８０回総会の議長にドイツ前外相のアナレーナ・ベーアボック氏（４４）を選んだ。創設８０年を迎える国連で、女性の総会議長は５人目となる。任期は１年間だ。

　ベーアボック氏は選出後の演説で、「私たちは不確実性の綱渡りをしている」と混迷する世界情勢に触れつつ、「国連憲章は今後も私たちの活動の揺るぎない基盤であり続ける」と強調した。持続可能な開発目標（ＳＤＧｓ）の推進や、時代に沿った国連の変革を支持する姿勢を打ち出した。

　総会の運営をつかさどる議長は、五つの地域グループ間の持ち回りで選ばれ、今回は西欧に割り当てられていた。

　近年は候補を一本化して無投票で選ばれてきた。だが、国連外交筋によると、今回は、ウクライナ侵攻を巡ってドイツと対立するロシアが投票を求めた。秘密投票の結果、１６７カ国の支持を得た。

　ベーアボック氏はドイツ緑の党の元共同党首で、ショルツ前政権で外相を務めた。【ニューヨーク八田浩輔】