トランプ政権、英国からの輸入車関税を一部10%に引き下げへ  

2025/05/09 00:45 

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 トランプ米政権は8日、英国から輸入する自動車について、10万台までは関税率を25%から10%に引き下げると発表した。25%の鉄鋼・アルミニウム関税の引き下げも検討する。自動車など特定分野以外の全ての輸入品に課す10%の「相互関税」は維持する。

 英国は関税引き下げの代わりに、米国産の農産物や牛肉の輸入拡大措置などをとる。米国にとって、計50億ドル(約7300億円)規模の輸出拡大機会が生まれるという。英国は非関税障壁の撤廃にも取り組む。

 米国側は25%の鉄鋼・アルミ関税の見直しを「今後交渉する」と発表したが、英国側は「25%が0%になるよう交渉した」と説明している。

 同日、関税などの貿易交渉で合意したと両国首脳が発表した。ホワイトハウスは今回の合意について「他の貿易相手国が米国との相互貿易を促進するための基調にもなる」と説明。米国と交渉を続ける日本の参考事例になりそうだ。

 トランプ政権は4月、米国外で生産された全ての自動車に対し25%の追加関税を発動。これにより英国を含む各国から米国への自動車関税は27・5%となっていた。また、米政権は相互関税の一律分として10%を英国など全ての国に発動しており、米国が巨額の貿易赤字を抱える日本など約60カ国にはこれに上乗せ関税が課されることになっている。【ワシントン大久保渉、ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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