米国防長官、シグナルの公務使用常態化か 与野党から辞任求める声

2025/05/07 11:15 

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 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は5日、ヘグセス米国防長官が民間の通信アプリ「シグナル」で、少なくとも12のチャットグループを公務に関連して使用していたと報じた。進行中の軍事作戦について同盟国への伝達をスタッフに指示したり、政権内での安全保障の議論を側近らと共有したりしたという。シグナルによる機微な情報のやり取りが常態化していた可能性が指摘されている。

 WSJによると、ヘグセス氏は複数のチャットグループに自身と副長官の事務所スタッフや警護要員を加えていた。公務のスケジュールなども共有していたという。機密性の高い国防総省の通信システムではなく、私用の携帯電話でシグナルを多用していたとされる。

 シグナルの使用を巡っては、米軍が3月にイエメンの親イラン武装組織フーシ派に対して実施した空爆について、ヘグセス氏が攻撃の開始時間などの詳細を妻や弟らと共有していたとも報じられている。WSJによると、ヘグセス氏のアカウントにアクセスできる側近が投稿したという。

 ヘグセス氏の情報管理がずさんだとして、野党・民主党だけでなく与党・共和党の議員からも辞任を求める声が高まっている。トランプ大統領は4日に放映されたNBCテレビのインタビューで、ヘグセス氏は「とても素晴らしい仕事をしている」と擁護した。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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