メルケル氏、メルツ氏の「恥辱」見届けて議場去る 党内闘争で確執

2025/05/07 18:09 

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 ドイツのメルケル元首相は6日、出身政党であるキリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首の首相指名選挙を観覧するため、連邦議会を訪れた。両者は長年ライバル関係にある。メルケル氏は要人向け観覧席で見守っていたが、1回目で選出確実とみられていたメルツ氏が「不選出」になると、2回目を待たずに議場を後にした。

 独DPA通信などによると、メルケル氏の広報担当者は、メルケル氏が去ったのは「時間的な理由」と説明した。メルツ氏が2回目の投票で無事選出された後、メルケル氏は携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)で「心からのお祝い」を伝えたという。

 メルケル氏は2005~21年に長期政権を率い、その後政界を引退した。メルツ氏とは同じCDU所属だったが、2人は長く確執があったことで知られる。メルツ氏は00年代初頭にメルケル氏との党内での権力闘争に敗れ、一度政界を去ったこともある。

 2月の総選挙でCDUと姉妹政党との統一会派が勝利。首相候補だったメルツ氏が念願の首相の座を手にするのが確実視されていたが、1回目の首相指名選挙では過半数の支持を得られず、戦後初めて不選出という恥辱を味わった。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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