印軍の報復で8人死亡、35人負傷 係争地のパキスタン側に攻撃

2025/05/07 09:11 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 インド国防省は7日、パキスタンと領有権を争うカシミール地方の実効支配線を越え、パキスタンの支配地域や領内にあるテロリストのインフラ施設計9カ所を攻撃したと発表した。パキスタンメディアによると、子どもを含む少なくとも8人が死亡し、35人が負傷した。パキスタン軍は報復として、インド軍の戦闘機2機を撃墜したと明らかにした。核保有国同士による戦闘に国際社会の懸念が高まっている。

 インド国防省は声明で「我々の行動は焦点を絞った、慎重な、エスカレーションのない性質のものだ」と説明した。攻撃対象はあくまでテロリストの施設でパキスタンの軍事施設は標的にしていないと強調している。

 一方で、パキスタンのシャリフ首相は、インド軍の攻撃について「この戦争行為に対応する権利を有しており、実際に強力な対応が進行中だ」との声明を発表した。

 カシミール地方のインド側の支配地域では4月22日、武装集団による銃撃テロ事件があり、観光客ら26人が犠牲になった。インド政府はパキスタンの関与を指摘して軍事的な報復を示唆していた。パキスタン側は関与を否定し、中立的な調査の実施を要求。インド政府に対し、いかなる軍事的な行動にも「断固とした姿勢で対応する」とけん制していた。

 国連のグテレス事務総長は6日、核保有国であるインドとパキスタンの軍事衝突は「解決策ではない」と強い懸念を表明し、両国に自制を呼びかけた。トランプ米大統領もホワイトハウスで記者団に、インドとパキスタンの衝突について報告を受けたとし、「できるだけ早く終わることを願う」と話した。【ニューデリー松本紫帆】

毎日新聞

国際

国際一覧>

注目の情報