全国の路線価、5年連続上昇 上昇率2.9%、地方の中で格差も
国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2026年分の路線価(1月1日時点)を公表し、全国の平均変動率は前年比プラス2・9%と5年連続で上昇した。上昇幅は前年の2・7%を上回り、現在の計算方法となった10年以降で過去最大だった。上昇幅の記録更新は3年連続となる。活発な不動産投資やインバウンド(訪日外国人観光客)の好調が影響した。
都道府県別では前年より1多い36都道府県で上昇した。上昇率のトップ3は東京(9・4%)、沖縄(6・6%)、大阪(5・1%)だった。下落は前年より4少ない8県。和歌山(0・5%)が最も下落率が大きく、新潟と徳島(いずれも0・4%)が続いた。
都道府県庁所在地の最高路線価は上昇が44、横ばいが3、下落はゼロだった。下落都市がないのは35年ぶり。上昇率トップ3は佐賀市(17・0%)、盛岡市(13・0%)、奈良市(12・6%)。佐賀市では23年5月、JR佐賀駅近くに九州最大級の多目的施設「SAGAアリーナ」がオープンし、周辺で宿泊や店舗の需要が高まったことが反映されたとみられる。
前年比の上昇率でみると、トップは長野県白馬村の村道和田野線(32・7%)で、同県野沢温泉村の大湯通り(31・3%)、北海道富良野市の道道北の峰線通り(28%)、東京都台東区の雷門通り(27・5%)と続き、観光地が目立った。
最高額は41年連続で東京都中央区銀座5の銀座中央通り。1平方メートル当たり5336万円と前年比プラス11%となり、前年に続き過去最高額を更新した。
不動産専門シンクタンク「都市未来総合研究所」の大重直人・主任研究員は「円安や低金利を背景に海外投資家から見た日本の不動産には相対的な割安感がある」とみる。インバウンド需要に関しては日中関係の緊張などを受け、中国からの訪日需要は弱含む一方、他国および国内からの需要は底堅く、全体への影響は地域などで差があると分析。地方では、主要駅周辺や観光地、再開発・産業集積地で上昇が目立ち、「再開発などの選択と集中がより進み、地方の中でも格差が広がっている」と述べた。【佐藤緑平】
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