「日本は”悪党”の一味にされた」相互関税、アナリストの受け止めは
米国のトランプ大統領が3日未明(現地時間2日夕)、全ての国に一律10%の関税、「米国に対し不公正な貿易慣行のある国」に相互関税を導入すると表明し、日本の税率は24%に設定された。新たな関税は自動車メーカーなど日本企業の経営と雇用にどのような影響を与えるのか。自動車業界の動向に詳しい東海東京インテリジェンス・ラボの杉浦誠司シニアアナリストに聞いた。
――トランプ政権が決めた輸入自動車への関税(25%)と、日本への相互関税(24%)=自動車・同部品は除外=の税率をどう評価するか。
◆率直に重いと感じた。トランプ大統領の演説は、自動車業界の労働者を会場に呼ぶなどまさに政治ショーだ。(米国に対して多額の貿易黒字を計上する)日本などが「悪党」の一味にされてしまった。
――3日の東京株式市場の日経平均株価は一時、前日終値より1600円超下落した。自動車関連株を中心とした株価への影響をどうみるか。
◆国内自動車メーカーだけでなく、下請け会社や素材産業などの株価が下落していて、株価回復の要素は見当たらない。また、皮肉なことに米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)やフォードなども自動車関税発表後に巻き添えで株価が落ちている。ただ、トランプ大統領の政策は捉えどころがない側面があり、当面は変動幅が大きくなりそうだ。
――国内の自動車産業の業績への影響は。
◆製造年度が変わる6月ごろに価格改定しやすく、こうしたタイミングで関税分を米国市場で値上げできるかどうかが鍵だ。米国は中古車価格が高騰しているので、業績への影響は各社の販売戦略次第。不安材料は為替相場で1ドル=150円前後なら利益を確保できるメーカーもあるが、それ以上円高が進めば大変だ。難局打開のため、日米の政府間協議を早期に実施してほしい。
――中小企業も多い部品メーカーの経営や雇用への影響をどうみるか。
◆公正取引委員会が自動車業界での「下請けいじめ」に厳しい姿勢を示しており、価格転嫁は従来よりやりやすい。自動車産業が集積する中部圏で倒産が急増することは考えづらい。各社が人員削減などのリストラに着手するかどうかは分からない。
――高関税に伴う物価高が世界に波及し、日本国内で個人消費を低迷させる懸念は。
◆日本は賃上げが物価上昇のペースに追いついていない。消費が低迷する可能性は米国などより高いだろう。
――自動車メーカーとしてどのような対応策が考えられるか。
◆トヨタ自動車やホンダはすでに米国での現地生産が進んでいる。他方、メキシコの工場から米国への輸出が多い日産自動車などにとって米国に工場を移転するのは容易でなく、難しい対応を迫られる。【聞き手・太田圭介】
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