一時1600円急落… 米関税、市場に動揺広がる 政府間交渉に期待も

2025/04/03 20:36 

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 トランプ米大統領が2日に発表した関税強化策を受け、東京株式市場は一時1600円以上急落して動揺が広がった。今後、米国に輸出している国内企業の業績を下押しする懸念があるが、株価の下落基調は続くのだろうか。

 3日の日経平均株価は、場が開くと前日終値比で一時1600円以上値を下げる場面があった。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは「日米だけでなく世界経済にとって厳しい内容だった」と警戒する。

 特に米国に輸出をしている製造業にとっては厳しい状況になりそうだ。3日に発動された自動車関税の日本への影響も甚大といえ、裾野の広い自動車産業の利益が減少すれば、株式市場全体の利益押し下げにつながる。UBS証券の守屋のぞみストラテジストは、関税が引き上げられた際の年末の日経平均株価を3万4000円と試算する。更に関税引き上げに伴い米国景気が後退した場合、3万1000円まで下がると予測している。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大西耕平上席投資戦略研究員も「(24%の)根拠が不十分で、(企業などの)対応も不透明にならざるを得ない」と心配する。

 一方、市場では今後の政府間の交渉で状況が改善する期待もあり、終値では下げ幅が900円台まで縮小した。大西氏は「良しあしが共存している状況。小売りや食品など内需株が株価を下支えする可能性もある」と指摘する。

 今後、各国が報復関税で対抗して貿易活動に深刻な影響が生じる事態にもなりかねない。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「景気への懸念は強まる恐れがある」と述べる。ただ、各国が米国と交渉することも想定されるため、「過度な悲観は不要だ」と指摘し、国内の株価の上昇傾向は継続するとみている。

 国内外で経済活動が冷え込んだ場合、打てる策はあるのか。大和総研の久後翔太郎シニアエコノミストは日本の政策金利の低さを不安視する。日銀は異次元の金融緩和から利上げ路線に転じ、今年1月には政策金利を0・5%程度に引き上げたが、4%台の米国と2・65%の欧州に比べ低水準だ。久後氏は「他国は貿易で悪影響が出ても利下げをしてある程度の影響を緩和できるが、日本では引き下げる余地が小さく、影響を打ち消せない。大きな違いだ」と指摘する。

 また、今後日本企業の賃上げにも水を差す恐れもあるといい、「トヨタ自動車など賃上げを引っ張る企業が収益悪化で賃上げができないとなれば、製造業全体の賃上げが鈍化しかねない」と話した。【福富智、秋丸生帆、古屋敷尚子】

毎日新聞

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