J1リーグ戦で初の「茨城ダービー」 水戸、PK戦で鹿島降す

2026/04/05 08:15 

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 サッカーJ1の百年構想リーグは4日、第9節が行われ、水戸ホーリーホックと鹿島アントラーズが水戸市のケーズデンキスタジアム水戸で、リーグ戦では初めて対戦した。同じ街や地域をホームタウンとするクラブ同士の対戦は「ダービー」と呼ばれ、何よりも負けられない戦いとされる。「茨城ダービー」は互いに譲らぬ好ゲームとなったが、水戸が1―1からのPK戦を4―2で制した。

 試合が動いたのは前半34分。右サイド深くから水戸のマテウスレイリアがゴール前へパス。鹿島のDFに当たったこぼれ球を、エースのFW渡辺新太が「(ポジションに入るのが)少し遅れたが、うまく自分の前に転がってきた」と右足を振り抜き先制ゴールを決めた。

 後半14分に水戸のDFダニーロが2枚目の警告で退場してからは、鹿島が攻勢を仕掛けたが再三の得点機にシュートが決まらず、1点差のまま試合終盤へ。しかし後半追加タイムにエリア内で水戸がハンドを犯し、PKを獲得。FWレオセアラが沈めて土壇場で追いついた。

 PK戦は先攻の鹿島が2人連続で失敗したのに対し、水戸は4人連続で決めて勝利。選手が歓喜の輪を作ると、サポーターの「イバラキ、ミト!」のチャント(応援歌)が響いた。水戸の渡辺は「(ダービーは)いいなと思った。日本サッカーのトップにいる鹿島には劣るが、これからも食らいつきたい」。5月にメルカリスタジアム(鹿嶋市)で行われる次のダービーでは「90分で勝ちたい」と意気込んだ。

 連勝が7で止まった鹿島は、8度のCKを相手にはね返されるなど、強みとしていたセットプレーの攻撃を生かせなかった。鬼木達監督は「積み上げてきたものが出せなかった、悔しさが残る試合だった」と振り返った。FW鈴木優磨は「(周囲の選手が)ダービーの雰囲気に必要以上のプレッシャーを感じていた。修正したい」と話した。

 鹿島は勝ち点23で首位のまま。水戸は同10で暫定7位に浮上した。

 ◇「夢が実現」ダービー観戦に1万人超

 ついに実現した「茨城ダービー」を見ようと、スタジアムにはそれぞれのクラブカラーである青と赤のユニホームを身にまとったサポーターら1万570人が集った。「夢が実現した」「譲れない対決」など、さまざまな声が聞かれた。

 茨城町から訪れた増田浩さん(63)はクラブが発足した1997年から水戸の応援を続けている。下部のJFL(日本フットボールリーグ)、J2を経てたどり着いたひのき舞台。「いつかJ1で鹿島とダービーができればと思っていた。夢が実現した」と感慨深げだ。都内から駆けつけた北条美海さん(25)は「歴史的な試合。(昨季J1で優勝した)王者にどれくらい通用するか見てみたい」と心待ちにした。

 一方、水戸市在住で鹿島サポーターの古川栄子さん(69)は「譲れない同県対決。水戸に住んでいるが、昔から応援しているので鹿島が勝たせてもらう」と話した。ゴール裏で応援する川上敏英さん(83)は「鹿島に勝ってほしいが水戸も頑張って、いい試合をしてほしい」と両チームにエールを送った。

 試合は水戸がPK戦の末に勝利。友人と訪れたという水戸サポーターの立原尚美さん(45)は「両チームが切磋琢磨(せっさたくま)して、サッカーが強い県として盛り上げてくれたら」と期待を込めた。【井手一樹、榎良広】

毎日新聞

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