DH恩恵は投手に? 完投増え、打撃は過去最低水準 センバツ総括
3月31日に閉幕した第98回選抜高校野球大会は、大阪桐蔭の4年ぶり、史上最多に並ぶ5回目の優勝で幕を閉じた。
今大会は春夏の甲子園で初めて指名打者(DH)制が導入され、出場32校のうち28校が採用した。打撃専門の選手を起用できた半面、打撃成績は過去最低水準にとどまった。一方で投手に専念できる選手が生まれたためか、完投数の増加という現象が見られた。
大会安打数は467本、大会打率は2割3分5厘で、同じ試合数だった前回の541本、2割7分から大きく低下した。DHで先発した選手は打率1割8分6厘と全体を下回った。
低反発の金属バットが導入された初年の2024年は、選抜大会で金属バットが導入された1975年以降で本塁打数が最少となり、打率も3番目に低かった。24年の安打数は453本、打率は2割3分3厘で、今大会はこの時と同水準に戻った格好だ。
一方で今大会は本塁打数が増え、低反発バットの導入以降で最多の9本が記録された。9本のうち、DHで出場した選手が2本を放った。第96回大会は3本(うちランニング本塁打1本)、第97回大会は6本(同2本)で、今大会はすべて柵越えだった。
打撃成績が低調だったことに加え、犠打や盗塁も減少した。
1試合平均の犠打数は3・68で、前回の4・29から減った。盗塁数は1・32で前回の1・71を下回った。
大会得点が前回より54点少ない231点にとどまった影響からか、接戦が多い大会となった。春最多となる6試合で延長タイブレークにもつれ込み、1点差の試合は前回より8試合増えて13試合に上った。
タイブレーク制度は選手の負担軽減のため、甲子園大会では18年春から導入されている。当時は延長十三回からだったが、23年春からは延長十回からに早まった。これまでの最多は第96回大会(24年)の4試合だった。
投手成績では完投数が前回の11から19に増加した。3完投を記録した智弁学園(奈良)の杉本真滉(まひろ)投手(3年)、決勝を含む2完投の大阪桐蔭・川本晴大(はると)投手(2年)らは打席に立たずに投球に専念。DHの導入により代打を送られる場面がなくなり、投手の負担軽減につながったとみられる。
今大会で注目された、先発投手とDHを兼任できる通称「大谷ルール」を使ったのは、八戸学院光星(青森)の1回戦のみ。投打の中心の北口晃大(あきひろ)選手(3年)が「4番・投手兼DH」で出場した。
また、智弁学園が準々決勝の花咲徳栄(埼玉)戦で8点差を逆転し、大会史上最大点差の逆転勝利となった。【長宗拓弥】
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