イングランドに勝利も…「良いことではない」 サッカー日本代表

2026/04/01 18:05 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 歴史的初勝利の直後とは思えないほど、選手たちから発せられたのはネガティブな言葉だった。サッカー日本代表がアウェーで強豪のイングランド代表を1―0で破った一戦に、ピッチ内で何を感じたのか。

 決勝点を挙げた三笘薫選手(ブライトン)は、この勝利を「あまり良いことではない」と言い切った。

 「(注目度が上がって)ワールドカップ(W杯)前に相手に分析されやすくなるし、結果だけ見れば勝利だけど、内容を見ればボールを支配されている。そこのギャップは埋めていかないと、W杯で痛い目に遭う」

 日本の選手たちの間でよく使われるのが「戦術カタール」という言葉だ。

 2022年W杯カタール大会1次リーグでドイツとスペインを破った時のように、前半は相手の猛攻に耐え、後半は一転して攻撃のギアを上げて相手を面食らわせる。いわば急襲作戦で、昨年10月の国際親善試合でブラジルに3―2で逆転勝ちした際もそうだった。

 イングランド戦は先制し、逃げ切る展開だった。前半に失点し、追いかける展開で後半から「戦術カタール」で逆転勝利を挙げてきた今までよりも、安定した試合運びだ。

 だが日本が本当に追い求めるのは、強豪相手にも主導権を握って勝利することだ。

 鎌田大地選手(クリスタルパレス)も「やっぱりまだこういうレベルのチームとの差は感じる」と明かす。

 サッカー界では「勝利の再現性」という言葉をよく耳にする。偶然ではなく必然の勝利にいかに近づけるか、という文脈で使われる言葉だ。

 イングランド戦後には上田綺世選手(フェイエノールト)がこのワードを口にした。

 「今日の戦い方をして10試合やったとしたら、そんなに勝率は良くないと思う。より五分五分、それ以上(の勝率)に近づけるように、主体性を持って次のW杯はプレーしたい」

 意識の高さの裏には、日本が公言する「W杯優勝」という目標がある。

 森保一監督は試合前日、イングランドが優勝の「本命」であるのに対し、日本は「ダークホースで優勝を狙う」と現地メディアの質問に対して語った。

 たとえダークホースでも、運や勢いが味方するだけではW杯の頂点に届くのは難しく、確かな実力が不可欠だ。

 日本は強豪に一回勝って喜ぶステージを越え、勝ち続けることをテーマとする領域に入っている。【ロンドン高野裕士】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>

注目の情報