陸上競技場で磨いたダイビングキャッチ 英明を救う センバツ

2026/03/23 18:40 

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 ◇選抜高校野球1回戦(23日、甲子園)

 ◇○英明5―3高川学園●

 外野の真ん中からグラウンド全体を見渡した。

 英明の中堅手の矢野壮馬にとって、初めての甲子園。「やっぱり、広いな」。でも、落ち着いていた。

 四回表にチーム2点目となる右前適時打を放ち、3点を先行して迎えた裏の守備。この試合初めて、外野に打球が飛んできた。

 この回先頭の1番打者がすくい上げた当たりは、中堅方向への浅い飛球に。矢野は迷わずスタートを切った。

 「絶対に前で捕る」

 チーム随一の俊足を生かし、帽子を飛ばしながらダッシュ。懸命に右腕を伸ばして打球に飛びついた。

 「気付いたらグラブに入ってました」

 拳を握り、ほえた。

 英明の練習グラウンドは、高松市街の校舎から10キロほど離れた場所にある。右翼が約40メートル、左翼が約70メートルの長方形で、外野のスペースはない。

 そのため、外野手は日ごろの練習で、グラウンド近くの陸上競技場を使っている。

 外野陣はトラック内側のフィールドを外野に見立て、ノックを受ける。ここでは捕球の練習や、打球への感覚を身に付けることに専念する。

 とにかく足を動かし、打球の正面に入る。連係プレーができない分、捕球の基本を徹底してきた。

 正規の球場で練習できるのは週1、2回に限られる。ノックと違う「生きた打球」を受ける貴重な機会だけに、外野陣は一段と集中力を高めて臨んできた。

 日ごろの成果が詰まった好守備に、香川純平監督は「ナイスプレーですよ」と手放しでたたえた。

 先発左腕の冨岡琥希(こうき)も「落ちたと思いました。(捕ってくれて)うれしかったです」と感謝する。

 「ピッチャーに楽に投げさせてあげたい。自分のできることを全力で」

 矢野はその一心で、次戦も広い甲子園の芝生を走る。【深野麟之介】

毎日新聞

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