絶望が迫る時、／心は震える、足は止まる。／だが、その絶望こそが、／俺たちを試す闘いの場だ！／逃げるな、背を向けるな。／絶望を抱け！

　２０２２年に亡くなったプロレスラーのアントニオ猪木さんを人工知能（ＡＩ）で復活させるプロジェクトが進んでいる。

　開発しているのは猪木さんの肖像権を管理する猪木元気工場（東京都中央区）。

　雑誌などに掲載された猪木さんのコメントや出版物、テレビ映像などから収集したデータをＡＩに読み取らせ、猪木さんをよみがえらせる試みだ。

　まだ試作段階ではあるが、記事冒頭に示したのは「ＡＩ猪木」が作ったポエム「絶望を抱く勇気」の一節である。

　今年２月２０日、猪木さんの生誕８２年を祝うパーティーでは、ＡＩの音声からなる「ＡＩ猪木」をホログラム映像で浮かび上がらせ、喝采を浴びた。

　猪木さんの弟で、猪木元気工場の社長も務める猪木啓介さんは「みなさんに楽しんでもらえるものを作りたい」と話している。

【川上晃弘】