名張毒ぶどう酒 死刑執行上申書不開示巡る控訴審、請求棄却

2026/09/11 16:41 

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 名張毒ぶどう酒事件で死刑が確定し、2015年に89歳で獄中死した奥西勝元死刑囚の死刑執行に関する上申書について、国が存否を明らかにせず不開示としたのは違法だとして、弁護士が国に開示を求めた訴訟の差し戻し控訴審判決で、名古屋高裁は11日、訴えを退けた1審・名古屋地裁判決を支持し、弁護士側の控訴を棄却した。

 片田信宏裁判長は、上申書の存否を明らかにすることは「死刑執行の具体的可能性という名誉、プライバシーに関わる個人情報を明らかにする」と指摘。さらに「未執行の死刑確定者が自身の執行時期を臆測するなどして精神的安定性を失い、自傷や逃亡など混乱を生じさせる恐れがある」とし、存否を明らかにせず不開示とした法務省の対応は適法と判断した。

 刑事訴訟法は判決確定から6カ月以内に死刑執行命令を出さなければならないと規定。弁護士側は上申書の存在は明らかで、不開示は違法だと訴えた。一方、法務省は「公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす恐れがある」として存否を明らかにしなかった。

 1審と差し戻し前の2審判決は、いずれも弁護士側の請求を棄却。最高裁は今年1月、2審判決について「存否を答えるだけで、不開示にすべき情報を開示することになるかどうか判断していない」と指摘し、理由の不備があるとして審理を差し戻した。

 判決後、名古屋市内で記者会見した見田村勇磨弁護士は「国民に開示されることが大前提である情報開示制度をないがしろにした判決。新しい証拠が開示されることで再審無罪の鍵になる」と強調し、上告する方針を示した。【渋谷雅也】

毎日新聞

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