北海道新幹線の延伸工事で談合疑い 公取委が9社に立ち入り検査

2026/05/19 14:00 

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 2038年度末ごろに延伸開業予定の北海道新幹線(新函館北斗―札幌間)の軌道敷設工事を巡る入札で、談合を繰り返した独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いがあるとして、公正取引委員会は19日、工事業者など9社と、その関係先として発注者の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(横浜市)を立ち入り検査した。関係者への取材で判明した。

 業者側は、北海道軌道施設工業(札幌市)▽仙建工業(仙台市)▽ユニオン建設(東京都目黒区)▽東証プライム上場の東鉄工業(同新宿区)▽名工建設(名古屋市)▽大鉄工業(大阪市)▽広成建設(広島市)▽九鉄工業(北九州市)▽三軌建設(福岡市)――の9社。いずれもJR各社と資本関係がある。

 公取委は9社に加え、事業主体の鉄道・運輸機構の関与の有無についても調べるとみられる。

 談合の疑いがあるのは、北海道新幹線の延伸に伴う軌道敷設工事の一般競争入札(総合評価方式)。機構は技術力や施工実績などの条件を提示して公募し、「本線スラブ軌道」などを敷設する工事を委託している。関係者によると、各社は担当者間で入札前に受注予定社を調整し、互いの競争を制限した疑いがある。

 軌道敷設工事は10区間あり、区間ごとに入札が実施されている。現時点で既に5区間は入札が終了しており、各社が希望する区間の工事を受注できるようにすみ分けたとみられる。公取委は残りの5区間についても、調整の有無を調べるとみられる。

 入札は各社の調整で1社応札となったケースもあれば、複数社が入札に参加するケースもあり、24~25年に契約された5区間の落札率はいずれも94%を超え、うち2件は99%を超えた。複数年契約で、落札額は26億~43億円に上っていた。

 北海道新幹線は現在、新青森駅(青森市)から新函館北斗駅(北海道北斗市)までの間で運行している。新函館北斗駅から札幌駅(札幌市)までの約212キロは12年に工事実施計画の認可を受けて着工。当初は30年度末の完成を目指したが、地質不良などを理由に開業目標を38年度末へと変更した。

 延伸工事の総事業費は計3兆円を超える見通しで、JRが支払う施設の貸付料を充てた上で、残りを国と沿線自治体が2対1の割合で負担する。【山田豊】

毎日新聞

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