「共存できない悪魔の兵器」 胎内被爆者がNPT会議で訴え
米ニューヨークで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議で1日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の事務局長で、胎内被爆者の浜住治郎さん(80)が演説した。
浜住さんは、核兵器は「人間とは共存できない悪魔の兵器」と訴え、「核兵器も、戦争もない」社会の実現を強く呼びかけた。
1945年8月6日午前8時15分、米軍が広島に原爆を投下した時、浜住さんは母のおなかの中にいた。自宅は市中心部から約4キロ。父は爆心地近くの会社に行ったまま、帰ってこなかった。見つかったのはベルトのバックル、鍵束、財布の金具の三つだけだ。
浜住さんは学校の校庭で毎日4、5体の死体が、1カ月半にわたって焼かれたと説明し、「被爆者は人間として死ぬことも、生きることもできませんでした」と語った。
また約80年前の原爆投下は今も被爆者の心や体、暮らしに影響を与えているとし、原爆が「ゼロにならなければ、安心できない」と述べた。
「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」。82年、被爆者として国連本部で初めて演説した山口仙二さんの言葉を改めて伝え、「戦争をしたから核兵器が使われたのです。戦争はしてはいけないのです」と、各地で続く戦闘を非難。そして、2000年のNPT再検討会議で約束された「核兵器の完全な廃棄」を速やかに実行してほしい、と核保有国に求めた。
この日は、広島県の横田美香知事が被爆地の知事として初めて演説したほか、広島市の松井一実市長、長崎市の鈴木史朗市長らも演説した。【ニューヨーク三木幸治】
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