大阪府・市が「副首都合同庁舎」整備を検討 年内に国に要望へ

2025/12/12 19:26 

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 大阪府と大阪市が災害時などに首都機能のバックアップを担う「副首都」の実現に向けて、大阪府庁周辺に「副首都合同庁舎」の整備を検討している。関係者によると、整備費は府の試算で最大約1250億円を見込む。今月下旬に開く府・市の会議で示し、年内に国へ要望する。

 吉村洋文知事(日本維新の会代表)は、12日の府議会で「首都圏で大規模災害が発生した場合に備え、一定期間、政府の中枢機能を設置できる体制や施設を平時から確保しておくことは重要だ」と答弁。府庁周辺の「大手前地区」を「有力な選択肢の一つ」と述べ、合同庁舎について「方向性が定まれば、実現に向けて力を入れていきたい」と語った。

 また、「国際金融都市」の実現に向けて、公的年金の積立金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF、東京都)のバックアップ拠点の大阪誘致についても国に要望する考えを示した。いずれも、大阪維新の会の森和臣議員の一般質問に答えた。

 府庁周辺には、建築基準法の「新耐震基準」を満たしていない府所有建物が多く、府が解体・撤去や耐震化を進めている。関係者によると、合同庁舎は府公館や旧職員会館などを取り壊した跡地への整備が有力視される。災害時に政府の災害対策本部会議を開催▽政府が2027年度以降の設置を目指す防災庁の地方拠点を整備▽国の出先機関の受け入れ――などを想定している。

 自民党と日本維新の会は、東京一極集中を是正する「副首都構想」を来年の通常国会で法制化することで合意。副首都の指定を目指す大阪府・市は、代替すべき首都機能や東京圏と並ぶ経済圏の形成に必要な規制緩和策など、国への要望を整理している。【加藤明子、鈴木拓也】

毎日新聞

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