大阪・住吉市民病院跡地の新施設、27年5月開業へ 認知症対策拠点
大阪市は12日、2018年に閉院した市立住吉市民病院(住之江区)の跡地で整備を進めている医療施設が27年5月に開業すると発表した。名称は「大阪健康長寿医科学センター」で、認知症の研究所や病院、介護老人保健施設の3施設からなり、認知症対策の先進的な拠点を目指す。
同センターは約1万6000平方メートルの敷地に①大阪公立大医学部付属健康長寿医科学センター研究所②同センター病院③市立介護老人保健施設「弘済長寿苑」を整備する。
研究所では認知症の早期発見方法や治療法、創薬の研究を進める。病院は「もの忘れ病棟」の30床を含む120床を備え、過去を思い出すことで脳を活性化させる「回想法」などでリハビリを実施するほか、最新の医療機器で認知症を早期に発見する。介護施設は大阪市立弘済院(吹田市)を引き継ぎ、先進的な認知症ケアを行う。定員は100人を予定する。弘済院はセンターの開設に伴い、閉院する。
横山英幸市長は12日の定例記者会見で「介護予防や、健康寿命を延ばす良いサイクルにつなげていく拠点になれば」と期待した。
住吉市民病院を巡っては、老朽化を理由に現地で建て替える予定だったが、12年に二重行政解消の一環として府立病院へ機能集約し廃止する方針に転換。市は跡地に民間病院の誘致を目指したが公募が不調に終わり、17年に吉村洋文市長(当時)が弘済院を市立大(現大阪公立大)病院に移管し、移転する方針を表明した。その後、認知症対策の拠点として整備する計画が進んでいた。【鈴木拓也】
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