永楽館歌舞伎が初日 片岡愛之助さん「満席は映画・国宝のおかげ」
兵庫県豊岡市出石町の芝居小屋「出石永楽館」で9月30日、「第15回永楽館歌舞伎」が初日を迎えた。360席が満席となった客席は、熱演を繰り広げる俳優との一体感と共に、歌舞伎の世界へ引き込まれていた。
永楽館は大ヒット映画「国宝」のロケ地の一つ。今回の公演には、15回連続出演の片岡愛之助さんや中村壱太郎さん、中村歌之助さん、中村福之助さん、坂東彦三郎さんの5人が出演する。一つ目の演目「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」は、鎌倉時代の曽我兄弟による敵討ちを題材に、歌舞伎の絵画的な様式美あふれる華麗な一幕という。
ユーモアあふれる語りが人気のお目見得(めみえ)口上には出演の幹部5人が登場。愛之助さんは、客席を見渡し「満員電車のように見えるのはここだけです」。映画「国宝」にも触れ、チケットの完売は「これもひとえにやはり『国宝』のおかげです」と語り、客席をどっと沸かせた。
次の演目の舞踊劇「神(こう)の鳥(とり)」は、豊岡市ゆかりのコウノトリが題材の作品。愛之助さん、壱太郎さんが演じる狂言師に化けたコウノトリの夫婦が、子どものコウノトリを助け出そうとする。永楽館での初演、アンコール上演を経て東京・歌舞伎座で上演。凱旋(がいせん)の意味を込めたご当地公演となった。
女方(おんながた)を演じる壱太郎さんの大ファンという都内の会社員の女性(29)は、初めて訪れた永楽館に「俳優との距離が近くてドキドキします」と話した。
俳優で愛之助さんの妻藤原紀香さんも来場者を笑顔で迎えていた。愛之助さんは「15回目の節目を迎えられ、心より感謝します。16回、20回と続くよう皆様、よろしくお願いいたします」とコメントを寄せた。公演は10月5日まで。
◇近畿で現存する最古の芝居小屋
現在の出石永楽館は1901年に開館し、近畿地方では現存する最古の芝居小屋。64年にテレビの普及などにより閉館したが、地元で復元に向けた活動もあり、2008年に改修が行われ、復活した。以来、愛之助さんらが出演する本格的な歌舞伎が興行されてきた。
永楽館によると、チケットが完売したのは、今回の公演回数が第14回の15公演に比べ全11公演となったことや、国宝の影響とみている。公演期間中、映画撮影に関連した鏡台などの展示品の一部は家老屋敷に移して公開。永楽館での展示再開は10月7日の予定。【浜本年弘】
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