ポケモン、仮面ライダーに鬼滅も なくならない景品のための食品ロス
おまけや景品ほしさに食品を大量購入し、本体であるはずの食品を廃棄する。そんな食品ロスが、半世紀以上も繰り返されている。
日本マクドナルドが人気アニメ「ポケットモンスター」(ポケモン)とコラボした「ハッピーセット」の第1弾として、ポケモンカードが付属する9~11日は客が殺到。初日の9日に多くの店舗でカードの配布を終える事態となった。
ポケモンカードは種類によって高値で売買されることもある。
交流サイト(SNS)上では、大量に廃棄されたとみられるハンバーガー入り紙袋の写真がアップされ、フリマアプリにはおもちゃが数多く出品されている。
こうした消費者の行為はすぐに「炎上」を招き、マクドナルド社は対応を迫られた。第2弾が始まる15日からの3日間は、ハッピーセットの購入制限を1グループ5セットから3セットに厳格化した。
◇ライダースナック、ビックリマン……
食玩目当てで大量購入され、食品が大量に捨てられる現象は、過去にも度々繰り返されてきた。
古くは、1971年に発売された「ライダースナック」(カルビー)だ。
当時1袋20円。同年にテレビ放送が始まった仮面ライダーブームに乗り、おまけのカードには546種類の怪人が用意された。中でも2枚集めるとアルバムがもらえるラッキーカードは、これを引き当てようとする子どもたちの収集熱をあおった。
大きな社会問題となったのが、オリジナルキャラクターのシールがついた菓子「ビックリマンチョコ」(ロッテ)だった。
85年に「天使VS悪魔」シリーズが発売されると、小中学生の間で空前の大ブームが起きた。88年のピーク時には年間4億個が売れる人気商品になったが、このとき既に「箱買い」や転売はみられた。
当時のロッテは「私はチョコもおいしく食べながら、シールを集めることを誓います」「私はシールを、決して売り買いしないことを誓います」といった「ビックリマン憲章」を推奨し、廃棄対策に走る事態にもなった。
99年に発売された「チョコエッグ」(フルタ製菓)、2020年発売の「鬼滅の刃ウエハース」(バンダイ)――。いずれも、スナックやチョコの菓子部分が捨てられる事例が多発した事例だ。
◇経済損失4兆円
農林水産省と環境省によると、23年度の食品ロスは全国で464万トン(家庭系233万トン、事業系231万トン)に及ぶ。00年度の980万トンから減り続けているが、政府は30年度に435万トンまで削減する目標を掲げている。
食品ロスによる経済損失は、年間4兆円(1人当たり3万1800円)に達するとも試算される。
こうした食品ロスの一部を、半世紀も前から食玩が助長している点は否めない。メーカーと消費者、双方の意識を変える必要がありそうだ。【春増翔太】
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