徴兵され記した「病床日記」など150点 振り返る桂米朝の原点
兵庫県姫路市出身の人間国宝で落語家、桂米朝さん(1925―2015年)の生誕100年を記念した特別展「桂米朝まつり 噺(はなし)家の原点」(同市主催)が、同市本町の姫路市民プラザ(イーグレひめじ地下1階)で開かれている。24日まで。入場無料。
米朝さんの歩みを振り返る約150点の資料を展示。その多くは、尼崎市の米朝さん宅に残されていたもので、落語研究家の小澤紘司さん(80)=姫路市=が米朝さんが存命の頃から整理を続けてきた。「米朝さんは若い頃から芸能や文学を研究し、その幅広い知識が自身の芸の深みにつながっていく。今回はその原点となる資料を中心に選んだ」と小澤さんは話す。
米朝さんは中国・大連市で生まれ、5歳から17歳まで姫路市で育った。伝統芸能への関心から東京の大東文化学院(現・大東文化大)に進学。寄席文化に詳しい作家、正岡容(いるる)に師事した。太平洋戦争末期の1945(昭和20)年2月に徴兵され、陸軍の姫路第10師団39連隊に所属。しかし、急性腎臓炎などを患い、約半年間の軍隊生活の大半を病院と療養所で過ごした。
終戦後は姫路に残り、働きながら落語会の企画運営に関わった。47年、四代目桂米団治に入門し、落語家への道を進んだ。
展示品の中には、米朝さんの出征時に友人らが寄せ書きした日の丸旗や軍隊にいながら入院・療養を続けた日々を記した「病床日記」も。日記には学生時代からたしなむ俳句が多数詠まれ、「谷崎(潤一郎)の『蓼(たで)食う虫』を借りよむ」などと読書にふける様子が淡々と記されている。
小澤さんによると、日記には療養所生活の間に35演目40席の落語を演じてみせたことも記されている。軍国主義的な風潮に合わせたり、逆に反戦的な姿勢を示したりしていないことについて、小澤さんは「戦争とは距離を取り、芸能を突き詰めていたことがうかがえて興味深い」と話している。
会場を訪れた長男の五代目桂米団治さんは「20歳前後で落語を評論したり落語会を開いたりと、その大胆さに我が父親ながら恐れ入ります」と語り、資料に見入った。
午前10時~午後6時半。18日休館。問い合わせは市文化国際課(079・221・2098)。【村元展也】
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