スーツケース放置、8割超の宿泊事業者「問題」 大阪観光局が危機感

2025/07/29 19:25 

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 大阪を訪れた観光客が宿泊施設や路上にスーツケースを放置する例が多発しており、大阪観光局が実態を調査した結果を29日に公表した。アンケートに回答した34の宿泊事業者のうち8割超の29事業者が実際に「放置が問題になっている」とし、対応に苦慮している状況が明らかになった。

 大阪・関西万博の開催に伴い、大阪府内には国内外から大勢の観光客が訪れている。特にインバウンド(訪日客)の伸びが目立ち、2025年上半期(1~6月)は前年同期比2割増の約847万6000人が訪問し、過去最多を更新した。

 一方、マナー違反も目立ち、スーツケースの放置や投棄が複数確認されていた。海外からの観光客が買い替えるつもりで持ち込み、新品を購入後に不要になったものを捨てることも多いとされる。

 観光局によると、アンケートでは複数の宿泊業者から「遺失物などとして保管するスペースの確保」や「廃棄物として処理する際にかかる費用」が課題だとの意見も寄せられた。

 29日に記者会見した観光局の溝畑宏理事長は「大きな問題として感じている」として、早急に対策を検討する考えを示した。そのうえで「マナー周知の強化やリユースの徹底を進めることで問題は減らせる。ただ、解決できないものには、新たにルールを定めていく必要があるのではないかとも感じる」と話した。

 アンケートは6月下旬、観光局の賛助会員約720社・団体に配布した。宿泊事業者以外も含めると87社・団体から回答があった。回答者全体では半数近くの40社・団体がスーツケースの放置が問題だと答えた。【露木陽介】

毎日新聞

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