<1分で解説>ダニ舌下免疫療法の新しく見つかった効果とは

2025/07/29 17:00 

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 5~19歳の子どもに行うダニ舌下免疫療法が、季節性でないアレルギー性鼻炎の症状だけでなく、感染症による入院率も大きく減らすことが分かったと、国立成育医療研究センターの大久保祐輔・社会医学研究部室長らが22日に発表しました。研究では、舌下療法を受けた子どもたちの入院率が7割近く減り、抗菌薬の使用も少なくなったことが明らかになりました。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「ダニ舌下免疫療法の新しく見つかった効果」を解説します。

Q ダニ舌下免疫療法ってどんな治療なの?

A ダニ舌下免疫療法は、ダニアレルギーの原因物質を含む錠剤を舌の下で溶かして、体を慣らしていく治療法です。

Q アレルギー性鼻炎ってどんな病気?

A アレルギー性鼻炎は、ダニや花粉などが原因で鼻水やくしゃみが出る病気です。

Q この治療はいつからできるようになったの?

A 12歳以上の患者には2015年から、5~11歳には18年から公的な保険が使えるようになりました。

Q どれくらいの期間治療を続けるのかな。

A 3~5年ほど治療を続けることで、治療後も長い間症状が抑えられるとされています。

Q 舌下療法を受けると、どんな効果があるの?

A 鼻炎の症状が良くなるだけでなく、ぜんそく発作や感染症の重症化による入院が65・2%減りました。

Q 抗菌薬の使用も減ったの?

A 抗菌薬の累積使用も13・7%減っていました。国立成育医療研究センターの森田英明・免疫アレルギー・感染研究部長は「鼻炎に伴う副鼻腔(びくう)炎が減ることや、風邪が長引きづらくなることで、抗菌薬の処方が減ったと考えられる」と説明しています。

Q どうして抗菌薬を減らすことが大事なの?

A 抗菌薬を使いすぎると、薬が効かない耐性菌が増えるため、世界的に抗菌薬の使用を減らすことが求められています。

Q 今後はどんな研究が進められるのかな。

A 大久保さんは「小児の早い段階で舌下療法をすることで、将来的な再発の有無や他の病気の発症との関連なども調べていきたい」と話しています。

毎日新聞

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