「どこまでも犯人追いかける」 八王子スーパー強盗殺人30年
「この事件の筋読み(見立て)で合っていますか。どんな形でもいいので教えてください」。30年前に起きた未解決の強盗殺人事件を捜査する警視庁捜査1課の係長、荒川秀樹警部(55)は、捜査本部の棚にある3人の犠牲者の遺影に手を合わせて、そう問いかける。
事件は、1995年7月30日に東京都八王子市の「スーパーナンペイ大和田店」の事務所で起きた。アルバイトの女子高校生ら3人が拳銃で頭を撃たれて殺害された。
荒川係長は事件後の97年に警視庁に入庁した。2回目の捜査1課勤務となった2012~17年、この事件を初めて担当した。当時は警部補。現場の状況から「犯罪史上まれにみる凄惨(せいさん)な事件」と語る。
事件で使われたとされるフィリピン製拳銃「スカイヤーズ・ビンガム」の捜査で、12年にフィリピンに派遣された。流通ルートや製造元を調べたが有力な情報は得られなかった。「できる限りのことはしたつもりだ」と振り返る。
25年春からは捜査1課特命捜査2係長として、再びこの事件を担当する。捜査本部には、引退する捜査員がメモなどをまとめて残したファイルが並ぶ。ボロボロに色あせていて、何度も読み返して事件を頭にたたき込んでいた形跡がうかがえる。
そんなファイルも数十冊になった。「ここまでしても犯人を追い詰められていない。さらに先のことを考えなければ」と自らを奮い立たせ、部下を率いる。
30日で事件発生から30年となる。殺害現場の事務所内からは100点以上の指紋が見つかった。捜査で一つ一つ潰してきたが、誰のものか特定できていない指紋が7点残る。時間の経過で関係者が死亡するなど解明のハードルは高く、くじけそうになることもある。
でも決して諦めない。情報提供は近年も年間数十件あり「多くの人が解決を願っている。事件は決して風化していない」と実感する。証拠鑑定の高度化など最新の科学技術にも期待し、「(犯人を)どこまでも追いかけて、ご遺族に解決の報告をする」と前を見る。
事件ではパート従業員の稲垣則子さん(当時47歳)、いずれもアルバイトで高校2年の矢吹恵さん(同17歳)、前田寛美さん(同16歳)が亡くなった。事務所の金庫には弾痕があったが、中には現金約500万円が残されたままだった。【菅健吾、朝比奈由佳】
◇八王子スーパー強盗殺人事件
1995年7月30日午後9時15分ごろ、東京都八王子市大和田町4の「スーパーナンペイ大和田店」2階の事務所で、パート従業員の稲垣則子さん(当時47歳)、いずれもアルバイトで高校2年の矢吹恵さん(同17歳)、前田寛美さん(同16歳)の3人が頭を拳銃で撃たれて殺害された。金庫に弾痕があったが、中には現金約500万円が残されたままだった。情報提供は警視庁八王子署捜査本部(042・621・0110)。
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