「電柱が倒れるか、抜けるかと」 島民が恐怖語る 悪石島震度6弱

2025/07/03 19:25 

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 3日午後4時過ぎに鹿児島県十島村の悪石島で震度6弱を観測した地震について、島民は「今までにない恐怖だった」と語った。

 島に住む漁師、有川和則さん(73)は地震発生時、軽トラックに給油するため島内のガソリンスタンドにいた。車を止めた時に突然、揺れが襲ってきた。軽トラックは給油機にぶつかり、有川さんは車の天井に頭をぶつけた。道路の電柱は「倒れるか、抜けるか」と思うほど揺れていた。

 「縦横に複雑な揺れが20秒くらい続いた。今まで感じたことのない恐怖だった」

 村の防災無線で島内の学校のグラウンドへの避難が呼び掛けられたため、有川さんは自宅に戻って妻を車に乗せて向かった。

 グラウンドにはほとんどの島民が集まっていたとみられ、混乱はなく、「大丈夫だった?」などと声を掛け合った。村の職員らは集まった島民に、希望する人は島外への避難ができることを説明したという。

 有川さんの妻は体調が優れず、有川さんは「島外への避難は難しい」と話す。連日の昼夜を問わない地震で島民の疲労はピークに達している。有川さんは「もう地震は来てほしくない。はやく収束してほしい」と願った。【平川昌範】

毎日新聞

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