宮内庁インスタフォロワー200万人到達 若者へのリーチは苦戦

2025/07/03 15:35 

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 宮内庁のインスタグラム公式アカウントのフォロワーが3日午前、200万人に達した。2024年4月の運用開始から1年あまりを経て高い注目度を維持している。一方で、若年層のフォロワーの伸びは鈍い。宮内庁は「どうすれば(若い世代の)心に響くのか、試行錯誤をしていきたい」としている。

 インスタは、まずは天皇、皇后両陛下の活動を知ってもらおうと始まった。開始直後は活動と投稿にタイムラグがあったが、今ではタイムリーさを意識し、速報的な投稿になっている。

 公的な活動より、プライベートなタケノコ掘りなどのオフショットに「いいね」が多く集まる傾向があるものの、リール(ショート動画)の再生回数を見ると、公的な活動にも注目が集まりつつある。

 運用1年時点でリールの再生回数は、国民スポーツ大会が開かれた佐賀県で、両陛下が日本バレーボール協会の川合俊一会長とバレーの試合を観戦された様子の再生回数が最も多く、約550万回。秋篠宮ご夫妻、愛子さまや佳子さまも参加した文化勲章受章者らとの茶会も約330万回再生された。

 宮内庁が交流サイト(SNS)での広報を始めた理由の一つに、若い世代に皇室への関心を持ってもらう狙いがあった。運用1年時点で、フォロワーのうち若年層(13~34歳)が占める割合は16・1%で、半年時点の17・3%から減少。全体のうち66・8%を女性が占める。

 宮内庁幹部は「目新しさで見てくださっていた人の関心がこれからも続くのか。2年目に入り、何をどう伝えていくのかが大事」と話す。

 宮内庁は今年度予算に、広報充実のための費用として約2700万円を計上した。24年度の約260万からの大幅増で、動画撮影を委託したり、専門家の助言を得たりし、体制拡充を図るという。両陛下に限らず、宮家の活動を幅広く紹介していく方法も検討を続けている。

 また、宮内庁は海外王室から依頼があれば相互フォローに応じる方針をとっており、6月末時点でオランダ(フォロワー約99万人)、ルクセンブルク(約10万人)、スペイン(約89万人)、イギリス(約1320万人)、スウェーデン(約72万人)の各王室と相互フォロー状態にある。

 スウェーデン王室は、今年5月にカール16世グスタフ国王が大阪・関西万博のために来日し、天皇ご一家と皇居・御所で夕食をともにしたのがフォローのきっかけだった。【山田奈緒】

毎日新聞

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