「同じ志の人がもっと」 岩手の社長が沖縄戦・司令部壕の保存に尽力
第二次世界大戦末期の沖縄戦で、那覇市の首里城地下に掘られた日本軍の司令部壕(ごう)の保存公開を求める地元団体の活動に協力するため、岩手県奥州市の建設会社社長、小野寺敏光さん(73)が、団体の新規会員を募っている。募集を始めた今年2月以降、岩手県を中心に全国で350人以上が会員に加わっており、今後も支援の輪を広げる考えだ。
戦後、司令部壕は天井や壁面の崩落などにより保存・公開が見送られてきたが、2019年の首里城の火災をきっかけに、沖縄戦体験者らでつくる市民団体「第32軍司令部壕の保存・公開を求める会」が発足。首里城の再建と合わせて、司令部壕を一体的に整備し、「沖縄の運命を決定づけた負の戦跡遺産」として、保存・公開するよう沖縄県に働きかけた。
沖縄県は有識者による検討委員会を設置し、壕内や周辺を調査。第1坑口(出入り口)と第5坑口について、26年度末までに見学用の遊歩道を整備し、30年度末までに最も保存状態の良い第5坑口から約60メートル奥までの坑道の公開を目指す基本計画をまとめた。「求める会」は今も壕を平和教育の拠点として活用するため、勉強会やシンポジウムの開催などを続ける。
小野寺さんは妻が沖縄出身だった縁などで、沖縄戦に関心を持ち、24年6月に報道で「求める会」の活動を知った。「みんなで平和を考えるきっかけとして、この取り組みは筋が良い。全国から後押ししたい」と思い立ち、当初は知人から声をかけて、少しずつ賛同者を増やしていった。
今月1日、小野寺さんは那覇市を訪問。沖縄戦を生き延び、「求める会」会長を務める瀬名波栄喜(せなはえいき)さん(96)=那覇市=らと面談し、全国から集めた新規会員の名簿と会費を手渡した。瀬名波さんは「沖縄戦の体験者が少なくなった今、司令部壕を永遠の語り部にし、県外にも恒久平和の願いを広げたい」とお礼を述べた。
小野寺さんは「全国には同じ志を持った人がもっともっといると思う。司令部壕が後世に『沖縄戦と平和の尊さ』を伝える役割を果たしてほしい」と語った。
会費は年間2000円。問い合わせは、小野寺さん(0197・56・5311)。【比嘉洋】
◇第32軍司令部壕
鹿児島県の奄美群島から沖縄県の先島諸島までを作戦範囲とする日本軍第32軍が、米軍の沖縄本島上陸に備え、首里城が建つ見晴らしの良い丘の地下10~30メートルの深さに構築。総延長は約1キロに及び、五つの出入り口(坑口)があった。内部には将校室や医療室、電信室などが配置され、兵士ら1000人以上がいたとされる。牛島満司令官らは1945年3月下旬、壕内に司令部を置き、作戦を指揮した。しかし、4月1日に本島中部に上陸した米軍の進撃に押され、5月22日に本島南部への撤退を決定し、同27日に壕を放棄した。この時点で日米両軍の勝敗は決していたが、第32軍が持久戦を展開したことで、本島南部は避難していた住民と軍が混在する戦場となり、逃げ場を失った住民の犠牲が急拡大した。
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