「処分のリスクより子供の命」 “公認カンニング”告発で解雇の教員
小田原短期大学(神奈川県)の通信教育課程で幼稚園教諭2種免許の取得に必要な単位認定試験の際に模範解答の書き写しが認められていた問題を内部告発して懲戒解雇された教員の男性が30日、従業員としての地位保全などを求める仮処分を札幌地裁に申し立てた。男性は記者会見で「(運営法人の)自浄作用に期待できない。裁判所の判断に強く期待したい」と語った。
小田原短大では2020年度以降、免許取得に必要な試験で教材の例題と同じ設問を出し、巻末に模範解答が載った教材の持ち込みを許可。系列の専門学校14校の学生も同じ課程に在籍でき、学内で書き写しが行われていた。札幌市の専門学校に勤務していた男性は報道機関に告発後の5月末、短大やこの専門学校を運営する三幸学園(東京都)から懲戒解雇された。
男性は会見で「幼児教育の現場に出るには適切な知識を持って卒業させることが必要」と指摘。「無責任に教諭免許を与えて現場に出すと、子供たちの命を危険にさらしてしまう。子供の命を守りたいのが一番。(処分の)リスクを取ってでも告発しようと考えた」と振り返った。
この試験制度で免許を取得した人数は2600人超に上る。男性は「学生に罪はない。試験形式を定めて利益を追求した学園に問題がある」とし、卒業生らに批判の矛先が向かないよう求めた。
代理人の中込律子弁護士は、告発内容は真実性があり、幼児教育への影響という公益性が認められるなどとして、懲戒解雇は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない」と主張。解雇権の乱用に当たるとしている。
学園が試験で模範解答の書き写しを認めていたことは刑事・行政罰に該当しないため、男性は公益通報者保護法の保護対象にならない。しかし、中込弁護士は「従前の裁判例の枠組みで保護されるべき事案」とし、「問題提起した人を探し出し、懲戒処分するのはかなり問題。(学園は)専門家に相談してやっているのか疑問に思う」と話した。
男性は7月中に地位確認を求めて提訴する方針。【片野裕之】
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