理事とは何か「伝えたい」 千葉・日本将棋連盟新理事 立候補のワケ
日本将棋連盟は6月、女性で初めて清水市代会長(56)が就任し、新しいスタートを踏み出した。
新たに常務理事となった千葉幸生(さきお)七段(46)は、妻涼子女流四段との間に娘2人がおり、家庭では“千葉家の料理長”としての重責も果たす。
その千葉七段にインタビューし、理事選立候補を決断した理由に迫った。
◇敵は少ない
千葉七段は21歳で棋士となった。名人戦順位戦では3期でC級2組を突破し、C級1組では勝ち越しを繰り返しながら昇級ラインにあと一歩届かないことが続いた。20年以上勝ち越しを続けてきたが、23年目の2022年度に初めて負け越し、24年度はC級1組から陥落した。
3月に家族旅行で気分転換し、次期の巻き返しを期した矢先に舞い込んできたのが、とある役員からの「理事にならないか」という一言だった。
「全然想定していなかった話なので、びっくりもしたし迷いもした」
推された理由は自身ではよく分からないが、強いて言えば、将棋連盟が定期的に開く棋士への報告会によく顔を出し「将棋界の問題に興味を持ってきた方ではあった」ことが思い当たるという。
笑顔の絶えない温和な性格。「比較的穏やかに生きてきたので敵は少ないかな」というのも大きな要素かもしれない。
妻の涼子女流四段は「大変だし、家のこともあるからやめた方がいい」と反対した。しかし、「まだ将棋を頑張ろうという気持ちだったが、40代半ばという年齢的なことを考え、違う方面で新たな気持ちで臨むのもいい」と理事選への立候補を決断した。妻も「頑張りたいなら応援する」と言ってくれた。
◇清水新会長「頼りがいある」
就任してみての実感は「理事の仕事が複雑化している」。新聞社中心だったスポンサーは、インターネット関係をはじめ他業種にまたがり、「同時並行で進めていかないといけない」。
担当する店舗事業部は、将棋会館の売店や道場の運営を受け持つ。売店で扱うのは、従来は盤や駒、扇子、戦術本が主だったが、アクリルスタンドやタオルなどが増え、更にオンラインストアも重要な収入源になる。「新商品は外部のアドバイザーの意見も聞きながら職員さんが考えています」
清水会長は担務の状況をこまめに確認するなど、理事らとのコミュニケーションを欠かさず、「頼りがいがある」と全幅の信頼を寄せる。新会長には「女流タイトル戦で不戦敗が生じてしまうこともあり、女流棋士の問題も山積している。産休に関する制度は、私が直接の担当ではないが、もうちょっときちんと整備できたらいい」と女性の視点での改革に期待する。
「最近、理事をやるハードルが上がっている」と感じる。自身が不安を抱えたまま理事になる決断をしたように、理事が何をやっているか棋士からは見えづらい。
「理事がどのくらいの負担でどのくらいの仕事があるか、同年代や若い棋士にうまく伝えていけたらいい。学歴や社会人経験のない私でも務まれば『千葉さんにもできるなら』と、環境的にも気分的にも後に続く人が理事になりやすくなる」
理事には特別な実績は必要ない。新体制になった将棋連盟に、情熱と誠実さで新しい風を吹き込めるはずだ。【丸山進】
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